KamPin____ かんぴん__ #NOlympicsAnywhere · @KamPin____
27th Nov 2021 from TwitLonger
DM開示: 2020年8月の 李琴峰氏 @Li_Kotomi から わたしに対する ハラスメント
2020年8月31日における、李琴峰氏 @Li_Kotomi と わたし (かんぴんたん @KamPinTang ) のTwitterダイレクトメッセージ (以下、DM) のやり取りです。
私信であるDMを公開するのは原則的には良くない行為であると認識しておりますが、以下の3点を踏まえ、本件を例外とするにあたっての十分な公益性があると判断した上で、開示いたします。
1. 今回DMのやりとりを開示する目的は、李琴峰氏による、トランスジェンダー女性でありレズビアンでもあるわたしに対する、トランスミソジニー、トランスレズビアン嫌悪、職業にもとづく嫌悪、セイニスト的嫌悪に依拠したとみなすべきトーンポリシングやマイクロアグレッションに満ち満ちたハラスメントを告発することです。開示範囲は、一般に公開されていないやりとりの記録のうち 全部 です。
2. 李琴峰氏は単著も出版なさられたクィア作家として高い評価を得ておられ、またトランスジェンダー女性の人権に関する発言も繰り返しなさっているため、本件について詳しく知らないひとからは純粋な “トランス・アライ(Ally)なシスジェンダーのクィア女性” として認知されているようです。実際、わたしもこのようなDMを送りつけられるまでは、そのように認識しておりました。ところが、氏は実際にはその人物像にあるまじきハラスメント行為を行っており、またその件に関する直接の被害者であるわたしへの謝罪も拒絶なさったまま、約1年3ヶ月が経過しようとしております。事態の進展は一向に期待できません。
3. 現在、この事実が周知されることなしに(もしかしたら意図的に無視あるいは矮小化しているひともいるかも知れません)氏の功績ばかりが強調されて、それどころか先日から日本国内各地で公開されている映画「リトル・ガール」(トランスジェンダーの少女をドキュメント化した作品)のパンフレット上において氏の著作が好意的に紹介されるまでの状況に至っております。これははなはだ不公正であり、理不尽であり、被害者であるわたしにとっては映画の情報をシャットアウトしたくなるほどの たえがたい屈辱 です。また同時に、こうした隠蔽と矮小化と排除が、永らく温存されてきたトランスジェンダーの女性(特にトランスレズビアン女性)に対する陰湿な差別構造の一面でもあるものと、強く確信するものです。
以下、DMの転載です。
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李琴峰氏 → わたし(かんぴんたん @KamPinTang)
2020年8月31日 午前 5:47
かんぴんたんさん
こんばんは、李琴峰です。
一連のツイート、拝見致しました。
かねてから思っているのですが、ツイッターは議論に向かない媒体で、140字という制約もあり、発話がどうしても断片的になって焦点の合わないものになってしまいます。
だからかんぴんたんさんとは、メッセージという形で返答をさせていただきたいと思いました。いきなりメッセージをお送りした無礼をお許しください。
まず、かんぴんたんさんのツイートにあります、
>「もし仮に李琴峰さんの一連のリプライが「下等/非正規の扱いでもトランスがそこにいるんだからいいじゃないか」という意味の発言であるのだとすれば~」
というところですが、それは完全に私の本意ではありません。そのようなことは言っていません。
ここで別の例を挙げたいと思います。
かんぴんたんさんは私のTwitterをフォローされているので、たぶん私が外国人であることを承知されていると思いますよね。
外国人は、日本においてもちろんマイノリティですね。それも圧倒的な。
マイノリティではあっても、日本には多くの外国人が住んでいて、日本人の隣人として暮らしています。
なので、もし誰かが、「日本は日本人が占有しており~」みたいなことを言ったら、私は、「それは事実ではありません。多くの外国人が日本で暮らしています」と言うでしょう。
しかしそれは決して、「下等/非正規の扱いでも外国人がそこにいるんだからいいじゃないか」という意味ではありません。外国人と日本人の差は、私はよく知っています。参政権がなかったり、家が借りられなかったり、入国管理庁で虐待にあったりなど、様々な不平等があるし、だからこそ闘っていかなければならないと思います。
同じように、私が「多くのトランスレズビアンがすでにレズビアンの空間を使用しています」と発言した時は、それ以上のことでもそれ以下のことでもなく、ただ単に、「レズビアンスペースに関してもシスジェンダーが占有して」いるというりんごさんの発言は、事実ではない、と言っただけです。
何も、トランスジェンダーとシスジェンダーの間の不平等を無視したり、矮小化したりするためではありません。
かんぴんたんさんがおっしゃるように、
>現状、「戸籍」を基準にする場や、そうでなくてもトランスフォビアに対する明文化された規定の無い場がほとんど
>トランスの女性やNBは「場の提供者から守られない/排除される」リスクを受け容れないとその場に入ることすらままなりません
というのは、もちろん私はよく分かっています。だからGF事件の時も、声を上げてきました(例えば下の記事↓。小説『ポラリスが降り注ぐ夜』の中でも、レズビアンの空間によるトランス排除に触れています)。トランス差別とトランス排除と戦ってきました。
https://note.com/li_kotomi/n/n397b5b7ba529
一方、歴史的に見て、レズビアンの空間に絶えず興味本位のシスヘテロ男性が侵入してきて、トランス・シス問わず多くの女性が悩まされてきた経緯があります。
なので、レズビアンの空間としてはシスヘテロ男性の脅威を排除しなければならない、というのも事実で、
とすると、「トランス女性」と「シス男性」を見分ける必要が実務上出てくる、ということは、かんぴんたんさんも考えればお分かりになるのではないかと思います。
しかし、「トランス女性」が定義できない以上、それはとても難しい作業になります。極端な例を挙げると、百田尚樹がいきなり「俺トランス女性なんで」と言って、レズビアンバーに入ってきたら、どうすべきでしょうか?
当然、排除しますよね?
このように、「トランス女性」を受け入れながら「シス男性」を排除するという作業は、正しくできればいいのですが、
かんぴんたんさんもご存知のように、「トランス女性」には色々な様態があり、どうしても「誤った排除」が出てきます。レズビアンの空間の運営者も、その度に批判を浴びて、方針を調整していかなければなりません。長い歴史で見れば、GFがその一例でしょう。
そのような調整の過程を、私は「対話・交渉」と表現したわけです。このような対話と交渉は、「マジョリティがマイノリティに強いるもの」という単純な構図に還元できません。
また外国人の例を挙げますが、日本が外国人を受け入れる歴史も、まさにそのような「対話」と「交渉」で変わり、今日に至っていますよね。黒船来航までの鎖国(一律排除)から、江戸末期のしぶしぶ開国。昭和時代になっても外国人が健康保険に入れなかったりなど、色々な制限があります。それぞれの時代に、絶えず「対話」と「交渉」(その手段は時には国際条約の加入だったり、時には戦争だったりします)を経て、今日に至っています。それでもまだまだ平等とは言えませんね。
(念のため付け加えますが、この例は別に、レズビアンにとってトランスレズビアンは「外国人」みたいな「外からやって来た存在」、と言っているわけではありません。最善の方針に辿り着くまでの、決して避けられない過程に着目しているわけです。ちなみに、たとえ鎖国時代であっても、日本には多くの外国人が住んでいました。日本にとって外国人は決して黒船来航以降にいきなり「外からやって来た存在」ではありません)
また、かんぴんたんさんがおっしゃった、
>《トランスの女性》は《女性》の外集団ではなく内集団であり、《トランスのレズビアン》も《レズビアン》の外集団ではなく内集団です。勝手に外に放り出して「隣人」にしないでください。
これに関しては、完全に誤読です。
私は「トランスのレズビアンはレズビアンの隣人だ」と言っていません。
「レズビアンコミュニティとトランスコミュニティの(中略)隣り合う隣人同士で当然起こり得る対話と交渉」と言っています。
「レズビアンコミュニティ」と「トランスコミュニティ」は、隣り合う隣人同士ですよね?重なり合う部分(≒トランスレズビアン)もありながら。
最後にですが、マイノリティが声を上げ、権利を手に入れる過程は、本当に大変で、エネルギーを消耗します。これは日々作家活動を行い、Twitterを見ている私が、よく分かっていることです。
そのような貴重なエネルギーを、どうかしかるべきところに使っていただければと思います。
言葉の矢を放つ前に、どうか、本当の敵は誰なのか、よくよく見定めてから放ってください。
私はかんぴんたんさんのことを何一つ知らないし、かんぴんたんさんも恐らく、私のことについて深いことは何一つご存知でないと思いますが、
それでも、私はトランスの人権に支持し、あらゆる差別に反対する、かんぴんたんさんの味方だと、考えております。
長くなってしまってごめんなさい。
これらの言葉が伝わることを、心から願っております。
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わたし → 李琴峰氏 の DM
2020年8月31日 午前11:39
それら全て、最初のリプライを送る前から知っていることであるとお伝えしたつもりだったのですが、全く伝わっていなかったようで残念です。
外国人差別についての話も、それ自体は仰る通りだと思います。
しかし、たとえばそれを日本にいる“日本人”が“外国人”に対してそれを言ったとしたら、それは抑圧として機能しうる効果を持つでしょう。だからこそ私は「李琴峰さんなら」ピンとくるはずだと申し上げたわけです。
それから、あなたは私をご存じないとのことです(私も友達の友達であること以上のことはほぼTwitterで知れる範囲のみしか承知しておりません)ので、簡単に説明しますと、
私は女性であることやトランスジェンダーであることや弱煙者であることや発達障害者であることやうつ病患者であることなどを理由に労働市場からも社会運動の場からも街頭からも多くのバーやクラブからも実際に排除を受けた結果、既に大きな社会的・経済的制約の中におり、できることは本当に限られています。
あなたのそのDMが「“頑張っている”のだから批判しないで“他で”“頑張って”ください、あなたたちの指摘は“言葉の矢”です」という暴力的な“言葉の矢”として現在進行形で私に刺さっていることをご認識くださいませ。
それから、トランスコミュニティーとおっしゃいましたが、実際に起こった事件はレズビアンコミュニティーの中でのことだと認識しております。
また、シスの男性はトランスでも女性でもありませんので、原則としてトランスの女性である私がそこを“ご理解して”差し上げる義理も義務も責任も利益もありません。甚だ迷惑です。
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同
2020年8月31日 午前11:56
私も、本件に関して全てTwitter上で完結させることは特に求めません。
ただ、DMでの非公開のやり取りは、裏でコソコソ脅されているようで、私は恐怖を感じます。しかもその内容はトーンポリシングです。
私もなるべく穏やかに日常を過ごしたいですので、あまり卑怯な手を使って心労を増やしてくださらないよう、心からお願い申し上げます。本当に。
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李琴峰氏 → わたし の DM
2020年8月31日 午後1:17
話が伝わらず、とても残念に思います。
ではご心労を増やさないよう、これ以上返信はしません。失礼致しました。
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わたし → 李琴峰氏 の DM
2020年8月31日 午後1:20
いえ、伝わってますってば。さすがに酷すぎますので、この
記録を公開することを検討いたします。それでは。
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2020年8月31日 午後1:22
すみません、追加です。
これは受け取り手(私)の問題ではなく、あくまであなたご自身の発言の問題であることを、改めて指摘しておきます。
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2020年8月31日 午後1:28
私はあなたがシスジェンダーであ(りながら勝手にその特権を手放し対等な立場に立った気になってい)ると認識していたのですが、あなたはシスではないのですか?
ご連絡は、ご自分のツイートとDMをもう一度ゆっくり読み直してからお願いします。
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転載は以上です。