奥窪優木「列島エイリアンズ」

外国人闇バイト編(2)「携帯電話の契約代行」報酬は1件1万円 ベトナム人SNSで氾濫する闇バイト、違法電動自転車提供の投稿も

スマホ契約の闇バイトを募集するSNS上のベトナム人コミュニティー(一部画像を処理しています)
スマホ契約の闇バイトを募集するSNS上のベトナム人コミュニティー(一部画像を処理しています)

「携帯電話ショップでの契約代行業務。1件につき報酬1万円」

これは、在日ベトナム人が集うフェイスブック・コミュニティーで、頻繁に投稿されている求人情報だ。携帯電話の契約など長くても1時間程度で終わるはず。その報酬が1万円とはかなり割りのいいバイトだ。

種明かしをすると、こうした求人は「名義貸し」の闇バイトであることが多い。筆者もかつて、彼らの追跡取材を行ったことがある。彼らは、SNSで集めた人員を連れて家電量販店や携帯電話ショップを回り、複数のキャリアで新規に回線契約させていた。

そしてスマートフォン端末は新品のまま転売し、取り外したSIMカードは、特殊詐欺などで利用される「トバシ番号」として裏社会で流通させる。彼らにしてみれば、一石二鳥の儲けとなる。

当時は、帰国を前にした技能実習生が、「最後の小遣い稼ぎ」として、こうした闇バイトに応募するケースが多いと聞いていた。しかし最近では、偽造の在留カードを用いて回線契約し、スマホとSIMカードを詐取するという事件も起きており、その手口は大胆不敵になりつつあるようだ。

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