生成AIでウイルスを作れなかった人、逮捕される

 

 2024/5/28、「生成AIを用いてコンピュータウイルスを作った」とされる男・林琉輝(25)が警視庁に逮捕され、「生成AIを利用したウイルス製造の摘発第1号」といったような感じの演出で報道される。

 

 しかし現実は見出しとは異なる。実際には、本人のスキルが到底コンピュータウイルスを扱えるようなレベルに達していなかった(元工場作業員)ため、そもそもウイルスは作成する事もできなかった。「ウイルスを目指して作られたが結局ロクに動きもしなかった訳の分からないゴミ」が別件で押収したPCの中にあったというだけの話である。この男は「生成AIを悪用してウイルスを作った男」ではなく、「生成AIを使えばウイルスを作れると思ったが、実際には何もできなかった男」に過ぎない。

 

 本件は「警察はAIも叩けるというところを見せておこう」という警視庁のパフォーマンス的側面が強い。潜在的な反AIである新聞社は「生成AIのせいで不幸な事件が起きた」と言いたいがためにそのパフォーマンスに乗っかっている。犯人は「AIを使えば何でもできると思った」と言っているそうだが、犯人のみならず警察も裁判所も新聞社も全員AIを使えば何でもできると思っていそうである。

 

 もし本当に正常に動作するウイルスが作れていたら、「学習段階ではなく生成段階で善悪を判断する」という法的な原則に沿った逮捕事例第1号ではあったのだが。

 

news.yahoo.co.jp

 

反AI、クレカ規制に関するデマを流す

eyecatch

 

 2024/3頃から、VISA、Mastercardなど主だった米国のクレジットカード会社が、日本の同人販売系サイトとの取引を次々と停止。それに伴って反AIが新しいデマを流し始める。

 

⑥ PixivやDLSiteはAI生成の児童ポルノを放置したからクレジットカードが使えなくなった

 

 2023/5から1年以上AIイラストを完全に禁止していたFantiaや、そもそもエロコンテンツがないニコニコ動画も取引停止になっている時点で、明らかにデマだと分かる。

 

 米国のクレジットカード会社が表現規制に乗り出したのは、2022/7/29に、カリフォルニア州連邦地裁が、米VISA社に対して「Pornhub社が、ユーザが投稿した13歳の実在少女の児童ポルノを放置した事で結果的に広告収益を得たが、その決済にVISA社のクレジットカードが使われていたのでお前も責任を取れ」という判決を出した事が原因である。この判決以降、米国のクレジットカード会社は、「取引先に過失があると自分も連帯責任を取らされるかもしれない」という可能性に怯えるようになり、少しでもリスクがあるものは全て切り捨てるようになった。

 

forbesjapan.com

 

 クレジットカード会社は、反AIが気にしている「AI生成か手描きか」といったような話には全く興味がない。ただ単に「欧米基準だと日本のエロイラストは全部児童ポルノだから消せ」と言っているだけである。

 

 なお、日本においては、児童ポルノ」は被写体が実在の人物である事が絶対条件であるため、架空の人物を描いたイラストはそもそも児童ポルノと呼称できない。「架空の児童ポルノ」とか「AI生成の児童ポルノ」といった言葉は言葉自体が矛盾している。

 

過去のデマ ①~④ 

 

過去のデマ ⑤

かんざきひろ、反AIとして仕上がる

 2024/5/14、「俺妹」や「エロマンガ先生」のキャラクターデザインで著名なかんざきひろ氏が、「画像生成AIは盗用クソコラ作成ツール」というベタな反AIツイートを行い、これまでそれなりに保っていた中立の立場を完全に捨てて反AI化。

 

 表のアカウントで反AIを表明する作家は珍しくなくなっているが、イラストレータの中でもかなり成功した部類に入る氏が、そこらの反AIと同じようなレベルのツイートをした事で、良くも悪くも注目を集めた。

 

2022/10/3

 

 この頃は危機感はなかったようである。

 

2023/10/17

 「絵愛」みたいな事を書いているアカウントに関して。まだ普通。

 

2023/11/23

 「自分は止めて欲しいと思っているわけではないが、止めて欲しい人は書けばいいんじゃないですかね」という突き放した言い方。本心ではなかったかもしれないが。

 

2024/1/7


 「賛成でも反対でもないが同じ空気は吸いたくないし糞」だと反対としか思えないのだが、一応まだ中立という演出。

2024/3/19

 徐々に様子がおかしくなってくる。

 

2024/5/14


 ベタな反AIツイートで爆発。



 良くも悪くも自分が矢面に立とうとする他の反AIと異なり、第三者の立場から信者をけしかけて自分の手を汚さずに物事を動かそうという態度が露骨。野次馬を自称しているが、火を付けた本人を野次馬と呼ぶ奴はいない。



 後釣り宣言みたいな事を言い出す。どこからどう見ても立派な反AIなので、今さら隠す意味は特にないのだが…「実はそこまでではない」と言ってみたり妙に小物感がある。
 手段に過ぎないブロックが目的化しているというのも謎。

 

 


 ただ、少しでも大先生の機嫌を損ねるような事を書くとフォロワーであっても即ブロックされるのは事実であるらしい。意見や疑念などもってのほかで、完全なイエスマンでないと容赦なく消される。

ワコム、反AIに焼かれる

 2024/5/13、専門学校「清風情報工科学院」が主催する「全国AIアート甲子園@i-SEIFU」なるイベントの開催が告知されたが、その協賛企業のリストに主要なペンタブレットメーカーであるワコム(WACOM)の名前があった事から、反AIが群がり、焼かれる。

 

画像
https://x.com/sino6/status/1789867557156954326

 

 しかし5/15になって、協賛企業のリストにワコムの名を載せたのは清風の独断であり、ワコムはただの被害者である事が発覚した。

 

 情報が出揃う前に勝手な思い込みでワコムに攻撃を仕掛け、デマを流して嫌がらせを行ったのは反AI自身なのだが、ワコムが被害者であると分かった途端、何の反省もないまま清風に矛先を変え、「無断協賛」という造語まで作って「AIを推進している馬鹿どもは常識がないから何をしても不思議ではない」と話を誤魔化し、無関係な企業に勝手な思い込みで営業妨害レベルの嫌がらせを行ったという事実から逃げた。

 

https://x.com/skelter_records/status/1790669291169481138

 

 他にも協賛企業があるのにワコムだけが焼かれたのは、ワコムドラゴン事件で一度頭を下げたせいで舐められていたのと、反AIは「ペンタブレットを不買すればワコムの生殺与奪を自分たちがコントロールできる」と考えているからだとみられる(実際にはそうでもないようだが)。

 

https://twitter.com/wacom_info_jp/status/1790653431130251328
https://aikoshien.wraptas.site

アイビスペイント、やっぱり何がしたいのか分からない

 2024/5/8、2024/1/9に「お手本機能」としてLCM系の画像生成AIを搭載した(https://note.com/wintermutex/n/nd0f83bbf7981)ものの、反AIに焼かれてわずか2日で機能を削除し、何がしたかったのかさっぱり分からない状態になっていた、タッチデバイス向けペイントソフトのアイビスペイントが、前回とは逆にGlaze系の学習阻害ノイズ付与機能を搭載し、反AIビジネスに進出。

 

 Glaze系の技術全てに言える事だが、肝心の「本当に学習を阻害できているのかどうか」が、未だに明らかになっていない。というより、登場から1年以上経っているのに、作った本人以外誰も効果を認めていないので、これで効果があると主張するのはかなり厳しい。確実に画像が汚くなる一方で、学習阻害効果は全く得られていない可能性もあり、オカルトやプラセボの域を出ていない。

 

 なお、ノイズ強度を上げていくとそれでファインチューニングしたGen-AIの出力も汚くなって行くが、それは元画像が汚いから出力も汚くなっているだけで、特別な学習阻害効果が出ているわけではない。

 

https://ibispaint.com/lecture/index.jsp?no=192

すがやみつる、反AIに焼かれる

 2024/5/1、「ゲームセンターあらし」等で著名なマンガ家のすがやみつる氏が、フォロワーとのやり取りの中で、AIで生成した「ゲームセンターで遊ぶ少女」のイラストをポストしたところ、反AIが群がり、焼かれる。

 

 

 プロのクリエイターが素人の反AIに焼かれる事例は先月から急増しており、3/18のゴールデンボンバー、3/26の宮島礼吏氏、3/27の里中満智子氏、3/31の面倒くさい/찮아-fevercell氏、4/4の森川ジョージ氏に次いでおそらく6人目。

 

 反AIはいつも通り「物を知らない老人に説教してやろう」という気分で火をつけに行ったのだが、すがやみつる氏は50年以上プロとしてマンガ家をやってきたうえ、デジタルペイントの歴史に関しても、ITの歴史に関しても、生成AIに関しても、並の反AIより遥かに詳しかったので、「釈迦に説法」を地で行く様相となった。

 

 先月のゴールデンボンバーもそうだが、遊び半分でやっている素人と、長年生き残ってきたプロとでは、「適応」という概念に対する覚悟が全く違うのである。

 

 反AIは「全てのクリエイターは必ずAIを拒絶するはず」という一種の宗教的価値観の中で生きており、実際に拒絶しない人間が目の前に現れると、「お前のような奴はクリエイターではない」として切り離すしかなくなっている。それが「反AIによる既存クリエイターへの誹謗中傷・脅迫・リンチ」という結果に繋がっている。

反AI、ピカチュウを生成してはしゃぐ

 2024/4/27、Emi2なる新興の画像生成AIサービスにおいて、反AIが意図的に既存著作物の類似画像を生成し、「こんなに類似した画像が作れるのは問題」と主張する行為がまた流行。Emi2が発表されたのは前日にあたる4/26で、なぜ反AIに目をつけられたのかは不明。

 

 繰り返し述べている通り、AI生成画像の著作権侵害責任は、サービスの運営者ではなく、ピカチュウを出そうとし、また実際に出して、「ピカチュウが出た」と言ってはしゃいでTwitterにポストしている人間が取るピカチュウを学習する事は合法だが、意図的に類似画像を生成して公開する事は違法行為だからである。文化庁が1年前からそう言っている。

 

 まあ、このEmi2というサービスのレベルが低すぎるのも事実だが…

 

 反AIは伝統的にこの行為に走りがちであり、直近では、2023/12/28に、「屋根裏のラジャー」という映画の販促サイト内に組み込まれた、au主催の「MYイマジナリメーカー」なる画像生成サービスにおいて、今回と全く同じ行動を取っている。

 

https://note.com/wintermutex/n/n9af39fc3633e