2023/9/7、Amazonが、同社の電子書籍サービスの1つKindle Direct Publishing(KDP)において、登録作品のAI使用の有無の申告を義務化。
「登録者が自分でフラグを立てる」という仕様で、既にPixiv等が行っているものと同じだが、「どこまでAIを使ったらAI生成扱いになるのか」という基準が全く違う。原文は以下。
■ Kindle
AI生成コンテンツとは、AIベースのツールによって作成されるテキスト、画像、または翻訳として定義されます。AIベースのツールを使用して実際のコンテンツ(テキスト、画像、または翻訳)を作成した場合、後で大幅な編集を行ったとしても、そのコンテンツは「AI生成」と見なされます。
■ Pixiv
制作過程のすべてもしくはその主要な部分にAI(これに類する技術を含みます。)を使用して生成したコンテンツまたは当該コンテンツに軽微な加工・修正を施したコンテンツ(はAI生成物とみなす)。
Pixivルールが結局は「主要な部分とは何なのか」が主観的で曖昧なのに対し、Kindleは「スタート地点がAI生成がどうか」が全てで、スタート地点が手書き・手描きなら、その後何をしようが永久に手書き・手描き扱いになる。
これは文化庁見解とは合致しない。このようなローカルルールを掲げたサービスはおそらく初と思われる。
イラストで言えば、Kindleルールでは「最初の絵をt2iで作ると、その後どれだけ修正しようが永久にAI生成扱い」になる。これだけ見ると一見AIに不利そうだが、これは同時に「最初のラフを手で描けば、その後どれだけ修正しようが永久に手描き扱い」という事でもある。
実際に作る立場として考えた場合、基準が曖昧すぎてそもそも何を証明すればいいのか分からないPixiv系ルールよりも対処は楽かもしれない。
https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/help/topic/G200672390