2023/6ごろ、先鋭化した反AI原理主義者があまりにも頭が悪そうな感じになってきたせいで、「反AI」という言葉のイメージが著しく悪化。
その結果、「自分は反AIではない、ただ絵を盗んで欲しくないだけ」というような回りくどい言い方で初期の反AIに原点回帰したような主張をする層が現れ始める。
2023/6/19、文化庁が著作権セミナー「AIと著作権」開催。6/3に先立って発表されていたPDF書類「AIと著作権の関係等について」を詳しく解説する目的で開催された。
「機械学習は無断が原則かつ無断でも合法」「学習対象の違法性は最終生成物の違法性に影響しない」「AI生成物の違法性は最終生成物に違法性があるかどうかが全て」といった基本は同じ。
新しい話として、「創作意図と創作的寄与があればAI絵にも著作権は認められる」との発言があった。反AIは「AI生成されたイラストには著作権が発生しない」というデマを繰り返し流してきたが、文化庁によって公式に否定される形になった。
「創作意図と創作的寄与」というのは曖昧な表現だが、手描き修正はもちろん、Cherry Picking(同一Promptから大量のデータを生成させ、その中から使えそうなものを選ぶという基本的動作)ですら「創作意図」と解釈するようなので、実質ほぼ全ての出力で著作権が発生すると考えられる。
AIによる学習は、著作権法30条4項により原則的に常に無断、かつ無断でも合法なので、反AI主義者がよく使う「無断学習」「違法な学習」という言葉は、そもそもその概念自体が存在しない。
「違法な使用」という概念はある。「何で学習しようが自由だが、最終生成物で問題を起こせば犯罪」という事である。これは手描き絵でもAI絵でも変わらない。
無断学習で学習データを作成 → 合法
無断学習で作った学習データを用いてイラストを生成 → 合法
特定作家の絵柄・作風を再現する事を目的としてLoRAを作成 → 合法
最終生成物が他者の作品に類似している等で問題が起きる → 違法行為
二次創作 → 違法行為
二次創作で利益を出す → 違法行為
手描き・AI問わず違法行為。
親告罪なので版元の親告がなければ立件されず、「違法行為だが親告されていない」という状態を指して、俗に「グレーゾーン」等と呼ばれるが、親告があってもなくても違法行為である事に変わりはない。法的にはグレーという概念は存在しない。
利益を出しても出さなくても違法性は変わらない。ただし利益を出す事で親告されるリスクや損害賠償請求の額は上がると考えられる。
絵をディープラーニングする事に対して「無断学習」「盗用」と言って大騒ぎする一方で、絵以外、特に文章のディープラーニングには全く関心がない。Chat-GPTの学習データに問題があると考えた事はないし、機械翻訳サービスも「便利な道具」として何の抵抗もなく使う。絵だけが特別に保護されるべき、保護されて当然だと思っている。
二次創作は違法行為である。「版元から告訴(親告)されていないから事件化していない」というだけに過ぎない。利益を得ている場合は特に悪質と言える。
二次創作者が生成AIを著作権法の観点で批判すると、自身が違法状態のまま他者の違法行為を指摘する事になり、矛盾が生じる。
個人や国内の企業に対しては非常に攻撃的だが、海外企業、特にAdobeに対しては異様に大人しい。