「AV新法」施行から2年…条項に“見直し”記載も検討せず?女優たちが異例のデモ 「法律がアングラに追い込んでいる」宇佐美典也氏が訴え
2月23日に東京・銀座で行われた女優や監督によるAV新法改正を求めるデモ。2年前にできたこの法律は、出演契約をめぐる被害を防ぎ救済することが目的だ。作品ごとに契約書を求めたほか、契約から撮影までに1カ月、撮影終了から公開には4カ月の期間を置くことが定められている。また、公開から1年間は、出演者は無条件で契約を解除できる。 【映像】女優たちによるデモ行進の様子
しかし、AV女優を守るために作られた法律が、逆に彼女たちを苦しめているという。デモでは「デビューしてすぐ発表できないとかいろいろな支障が出て、普通の仕事をしているはずなのにこういうふうに縛られるのはどういうことなのか」「AV女優になるのが憧れで自ら飛び込んだ世界。もっと認められてもいいと思う」と主張した。 AV新法と改正の必要性について、自民党・性暴力のない社会の実現を目指す議員連盟副会長で同法の議員立法に携わった牧原秀樹衆議院議員を招き、『ABEMA Prime』で議論した。
■見直しを「検討せず」? 宇佐美典也氏「アングラに追い込んでいる」
AV新法の「見直し条項」(4条・概要)では、「規定については施行後2年以内(2024年6月まで)に施行状況等を勘案・検討され必要な措置を講じる」「制作物の公表期間を制限する条項や出演契約等に関する特則の在り方についても検討を行う」とされている。 しかし、牧原議員は現時点で「見直しの検討はしていない」と説明。「成人年齢が18歳に下がった時に、“未成年者の取消権がなくなり被害が起きたら自民党はどう責任を取るのか”と野党から指摘があり、それは大変だ、と。また、強制性交等罪が不同意性交等罪に変わり、同意がないものについては刑法犯になるので、そういう行為のAVについては取り締まりが必要だということでできた法律だ。作れと言った方々に改正しようという動きがないと、なかなか難しい。また、議員立法は内閣提出法案とは異なり、与野党の全員一致が基本。700人以上の国会議員を動かさないといけない」と述べる。 これに対し「AV産業の適正化を考える会」の顧問を務める制度アナリストの宇佐美典也氏は「施行後2年以内に見直し、状況に応じて必要な措置を講じるという条文は700人が納得して書いたはずなのに、見直さないのは議員の義務放棄だ」と憤りをあらわにする。