映画劇の原作者と脚本家の権利
2005年の映画劇『やわらかい生活』の原作者、脚本家の法廷闘争
1981年(昭和56年)9月22日、連合王国のE. G. Recordsから、真紅王(King Crimson)のアルバム『規律』DisciplineのLP盤(EGLP 49)が発売された。
A面1曲目に、31歳のエイドゥリアン・ブルー(Adrian Belew、1949年12月23日 ~)の「無駄口」Elephant Talk(4分42秒)を収めた。
口先、そんなの口先にすぎない
口論、交渉結果
口頭説明、口述回答
公明正大な公式声明
そんなの口先にすぎない
Talk, it's only talk
Arguments, agreements
Advice, answers
Articulate announcements
It's only talk
1981年(昭和56年)10月、ポリドールレコードから、キング・クリムゾン(King Crimson)のアルバム『キング・クリムゾンの復活』DisciplineのLP盤(28MM 0064、2,800円)が発売された。
「エレファント・トーク」Elephant Talkを収めた。
1981年(昭和56年)12月9日、東京・渋谷公会堂で、キング・クリムゾン(King Crimson)が初来日公演をおこなった。
1987年(昭和62年)、『映画芸術』が7月(夏)号(355号)から季刊となったが、実際には不定期刊だった。
1988年(昭和63年)1月、季刊となって2号目の『映画芸術』3月(春)号(356号)(780円)が刊行された。
1989年(平成元年)1月、季刊となって3号目の『映画芸術』3月(春)号(357号)(特別定価820円)が刊行された。
1989年(平成元年)10月30日、「主婦と生活 生活シリーズ」、主婦と生活社編『VIDEO 90 史上最強のビデオバイブル』(主婦と生活社、税込み1,100円)が刊行された。
1989年(平成元年)10月30日、季刊『映画芸術』秋号(358号)(1,000円)が刊行された。
編集長が42歳の荒井晴彦(1947年1月26日~)になった。
2000年(平成12年)12月16日~12月24日、東京の有楽町マリオン11階の有楽町朝日ホールをメイン会場に、「作家主義」(映画劇の市場価値や大衆性より芸術的価値や芸術性を重視し、原作者や脚本家ではなく、監督を映画作品の作家、集団創作である映画創作における最高権威者と見なし、映画劇が何を表現しているかより、誰がその作家(最高権威者)かを重視する権威ある個人の人格崇拝的な思想)を標榜し、アジアを中心とした各国の独創的な作品を上映する映画祭、第1回「東京フィルメックス」が開催された。
2003年(平成15年)4月14日、月刊文芸誌『文學界』を発行する文藝春秋の年1度の公募新人賞の「平成15年・2003年度・上」文學界新人賞を、36歳の絲山秋子(いとやま あきこ、1966年11月22日~)「イッツ・オンリー・トーク」(約110枚)が受賞した。
選考委員は、46歳の浅田彰(あさだ・あきら、1957年3月23日~)、47歳の奥泉光(おくいずみ・ひかる、1956年2月6日~)、42歳の島田雅彦(1961年3月13日~)、57歳の辻原登(1945年12月15日~)、44歳の山田詠美(1959年2月8日~)だった。
2003年(平成15年)5月7日発売の『文學界』6月号(税込み950円)に、絲山秋子「イッツ・オンリー・トーク」が掲載された。
特集「サリンジャー再び」に、54歳の村上春樹(1949年1月12日~)「キャッチャー・イン・ザ・ライ」訳者解説が掲載された。
2003年(平成15年)9月11日、文藝春秋が森重晃(1950年~)のステューディオスリーと、56歳の荒井晴彦脚本、49歳の廣木隆一(1954年1月1日~)監督の映画劇の原作としての「イッツ・オンリー・トーク」使用許諾の予約完結権を与える契約を交わした。
2004年(平成16年)2月10日、絲山秋子著『イッツ・オンリー・トーク』(文藝春秋、本体1,429円)が刊行された。
2004年(平成16年)3月6日、名画座「新宿昭和館」の跡地にSHOWAKAN-BLD.(昭和館ビル)が新築され、3階に定員84席の映画館「K's cinema(ケイズシネマ)」が開業した。
2004年(平成16年)5月までに、57歳の荒井晴彦が、絲山秋子著「イッツ・オンリー・トーク」を原作とする脚本「やわらかい生活」を執筆した。
2004年(平成16年)5月28日、37歳の絲山秋子と相談の上、文藝春秋社の担当編集者Dは森重晃に対し、ファクシミリ文書で脚本の変更点を申し入れた。
2004年(平成16年)10月20日、57歳の荒井晴彦の「やわらかい生活」第2稿が担当編集者Dに送付された。
同日、37歳の絲山秋子と協議した担当編集者Dは、森重晃に、この改稿による映画化を許諾せず、原作通りにシナリオを変更しなければ映画化は中止してほしいと申し入れた。
2004年(平成16年)10月末頃、森重晃が担当編集者Dに対し、撮影日程が迫ってるので、50歳の廣木隆一監督と37歳の絲山秋子が話し合いをし、再考してもらえないかと申し出た。
2004年(平成16年)11月7日、文藝春秋の会議室で、37歳の絲山秋子、担当編集者D、文藝春秋の版権業務部長が、森重晃、50歳の廣木隆一監督と協議した。
57歳の荒井晴彦はこの協議のことを知らされていなかった。
2004年(平成16年)11月後半頃、文藝春秋とステューディオスリーが「イッツ・オンリー・トーク」の原作使用許諾契約を交わした。
2004年(平成16年)11月~12月上旬、絲山秋子原作、荒井晴彦脚本、50歳の廣木隆一監督、31歳の寺島しのぶ(1972年12月28日~)、42歳の豊川悦司(1962年3月18日~)主演の映画劇『やわらかい生活』の撮影がおこなわれた。
2005年(平成17年)1月7日、38歳の絲山秋子(いとやま あきこ、1966年11月22日~)は担当編集者Dを介して森重晃に対し、原作にない日の丸、君が代に関する政治的主張の不必要な描写の改善を求めた。
2005年(平成17年)6月3日発売の日本シナリオ作家協会発行の月刊シナリオ誌『シナリオ』7月号(税込み830円)に、作家の許諾を得ることなく『やわらかい生活』の脚本が掲載された。
『文學界』平成17年/2005年9月号に、38歳の絲山秋子著「沖で待つ」(70枚)が掲載された。
2005年(平成17年)11月13日、東京渋谷・桜が丘の「ユーロスペース」が移転のため一時閉館した。
2005年(平成17年)11月23日、有楽町朝日ホールで、「第6回東京フィルメックス」参加作品の映画劇『やわらかい生活』(126分)が先行公開された。
2002年(平成14年)、7年前に両親を亡くし、大企業を退社し、保険金で暮らしながらうつ病で入退院を繰り返す35歳の橘優子の東京・蒲田の銭湯の2階のアパートでの新生活と男たちとの交流を描く。
49歳の塩田時敏(1956年1月1日~)司会の32歳の廣木隆一と32歳の寺島しのぶのトークイベント「日本映画のいま 廣木隆一監督の映画術」が催された。
2006年(平成18年)1月14日、東京渋谷の円山町に、複合映画館ビル「Q-AXビル」が開業した。
映画館「Q-AXシネマ」が地下1階(263席の「Q-AX シネマ1」、2階が172席の「Q-AX シネマ2」)に、「ユーロスペース」(92席の「ユーロスペース1」、145席の「ユーロスペース2」)が3階に移転し、142席の名画座「シネマヴェーラ渋谷」が4階に入居した。
2006年(平成18年)1月17日、39歳の絲山秋子の「沖で待つ」が、第134回芥川賞を受賞した。
選考委員は、79歳の河野多恵子(こうの・たえこ、1926年4月30日~2015年1月29日)、73歳の石原慎太郎(1932年9月30日~2022年2月1日)、46歳の山田詠美、53歳の村上龍(1952年2月19日~)、58歳の宮本輝(1947年3月6日~)、73歳の黒井千次(1932年5月28日~)、59歳の高樹のぶ子(1946年4月9日~)、60歳の池澤夏樹(1945年7月7日~)だった。
2006年(平成18年)2月25日、絲山秋子著『沖で待つ』(文藝春秋。本体952円)が刊行された。
2006年(平成18年)6月10日、渋谷シネ・アミューズ、新宿K's cinema、キネカ大森で、映画劇『やわらかい生活』が公開された。
2007年(平成19年)3月頃、社団法人シナリオ作家協会の年鑑代表シナリオ集編纂委員会が『'06年年鑑代表シナリオ集』に掲載すべき脚本のひとつに「やわらかい生活」を選出した。
2007年(平成19年)6月28日、社団法人シナリオ作家協会が担当編集者Dに対し、「やわらかい生活」の『'06年年鑑代表シナリオ集』への掲載の許諾を求めたが、担当編集者Dは海外に長期滞在中の40歳の絲山秋子の意向を確認した腕、断りの回答をした。
2007年(平成19年)9月3日、社団法人シナリオ作家協会は理事会会議で「やわらかい生活」の『'06年年鑑代表シナリオ集』への収録を断念した。
協会の依頼を受けたステューディオ・スリーは文藝春秋に対し、『'07年年鑑代表シナリオ集』に掲載することについての文書を送付したが、同月25日頃、文藝春秋はステューディオ・スリーに対し、電話で掲載を許諾できないと回答した。
2008年(平成20年)8月30日、Q-AXビル地下1階「Q-AXシネマ」が「渋谷シアターTSUTAYA」に改称した。
2009年(平成21年)7月14日、62歳の荒井晴彦と社団法人シナリオ作家協会が、東京地裁に、契約には「慣行に反する許諾拒否は行わない」と明記されていることから、映画劇の脚本「やわらかい生活」を出版物に掲載することを拒否したのは契約違反だとして、42歳の絲山秋子に1円ずつを求める損害賠償を求めて提訴した。
2009年(平成21年)10月31日、シネ・アミューズが閉館した。
2010年(平成22年)5月21日、小学館が、30歳前後の女性をターゲットとする季刊ペース恋愛マンガ誌、『プチコミック』7月号増刊『姉系プチコミック』を1号(税込み700円)で創刊した。
2010年(平成22年)5月28日、東京広尾の聖心女子大学で、グループ現代、「ミツバチの羽音と地球の回転」制作プロジェクト主催、加藤久人(かとう・ひさと、1957年~)司会の「持続可能な未来を求めて-映画上映と講演」(定員300名)が開催された。
鎌仲ひとみ(1958年6月11日~)監督の山口県上関町の原発計画に向き合う瀬戸内海の小さな島、祝島の住民の記録映画『ミツバチの羽音と地球の回転』(135分)の上映と、鎌仲監督、祝島からのゲストのトークセッションがおこなわれた。
2010年(平成22年)9月10日、東京地裁は63歳の荒井晴彦と社団法人シナリオ作家協会の請求を棄却し、43歳の絲山秋子の勝訴となった。
2010年(平成22年)9月30日、「渋谷シアターTSUTAYA」が閉館した。
2010年(平成22年)11月、東京渋谷・円山町の「Q‐AXビル」地下1階から2階までの3フロアに映画美学校が移転し、地下1階の劇場は映画美学校試写室となった。
2011年(平成23年)2月19日、東京渋谷の「Q‐AXビル」3階のユーロスペースで、記録映画『ミツバチの羽音と地球の回転』が公開された。
2011年(平成23年)3月4日、東京渋谷・円山町の「Q‐AXビル」が、KINOHAUS(キノハウス)」と改称した。
2011年(平成23年)3月23日、知財高裁は64歳の荒井晴彦と社団法人シナリオ作家協会の控訴を却下又は棄却し、控訴審でも44歳の絲山秋子の勝訴となった。
2011年(平成23年)4月16日、東京渋谷のKINOHAUS2階に客席数136席の映画館「オーディトリアム渋谷」が、記録映画『ミツバチの羽音と地球の回転』の興行(~26日)で開館した。
2012年(平成24年)2月16日、最高裁は65歳の荒井晴彦と社団法人シナリオ作家協会の上告申し立てを不受理とし、知財高裁の判決が確定した。
2012年(平成24年)7月6日、季刊文芸誌『文藝』(河出書房新社)秋季号「特集:赤坂真理」(本体1,286円)が発売された。
53歳の白石一文(1958年8月27日~)の小説「火口のふたり」が掲載された。
「火口のふたり」が参考にした文献は、2011年(平成23年)12月23日発売、鎌田浩毅(1955年~)、高世(たかせ)えり子(1982年10月27日~)著『もし富士山が噴火したら』(東洋経済新報社、本体1,400円)、2011年(平成23年)8月3日発行、木村政昭(1940年11月6日~)著『富士山大噴火!不気味な5つの兆候』(宝島社、本体952円)、2007年(平成19年)11月21日発行、「ブルーバックス」、鎌田浩毅著『富士山噴火:ハザードマップで読み解く「Xデー」』(講談社、本体940円)、2008年(平成20年)4月発行、小林朝夫(1961年2月16日~)著『富士山99の謎:知れば知るほど魅力が増す富士山のヒミツ』(彩図社、本体590円)、2002年(平成14年)1月22日発行、「集英社新書」、永原慶二(1922年7月12日~2004年7月9日)著『富士山宝永大爆発』(集英社、本体740円)だ。
2012年(平成24年)7月20日、東京渋谷のKINOHAUS2階のオーディトリアム渋谷で、協同組合日本シナリオ作家協会/一般社団法人シナリオ作家協会主催「『やわらかい生活』裁判を考える会」がおこなわれ、多くの映像業界関係者が参加した。
協同組合日本シナリオ作家協会の56歳の西岡琢也(1956年5月27日~)理事長が司会を務め、第一審原告代理人の柳原敏夫弁護士、控訴審原告代理人の的場徹(まとば・とおる)弁護士、一般社団法人シナリオ作家協会の62歳の柏原寛司(かしわばら ひろし 、1949年9月6日~)会長、65歳の荒井晴彦が登壇した。
荒井晴彦「つまらない原作を面白く、面白い原作をさらに面白い映画にしようと思っているだけなのに、原作者は脚本に赤を入れてくる。それで面白くなればいいが、監督たちも変わってきているように思う。先ほど、プロデューサーは何をしていたのかという質問が出たが、プロデューサーも監督も一回も裁判所には来なかった」
2012年(平成24年)11月12日、白石一文の小説『火口のふたり』(河出書房新社、本体1,400円)が刊行された。
カバー写真は大橋仁(1972年~)だ。
2013年(平成25年)6月25日、「原作と同じじゃなきゃダメですか?」出版委員会編著『原作と同じじゃなきゃダメですか?』(シナリオ作家協会、本体1,800円)が刊行された。
第1章 「やわらかい生活裁判」を考える
裁判報告 「この裁判の闘い方と敗け方」 柳原敏夫、的場徹、柏原寛司、荒井晴彦、西岡琢也
シンポジウム 「脚本と原作と著作権の不思議な関係」 坂上順、佐藤敦、中村義洋、石飛徳樹、山田庸一、柏原寛司、荒井晴彦、西岡琢也
第2章 「やわらかい生活裁判」を探る
インタビュー 角川春樹、中島丈博
寄稿文
岡田裕 「「映画は二次的著作物」か?」
富山省吾「脚本は二次著作物なのか」
伊藤俊也「卵は卵、鶏は鶏?」
小谷承靖「やわらかい生活」裁判に思うこと
大山勝美「牛の急所へ一撃」
大森寿美男「脚色の意志と原作者の意向」
丸山昇一 「“脚色“する脚本家も作家です」
西岡琢也「絶対間違っている」
菅乃廣「検閲等をめぐる裁判史」
アンケート
小説家:小谷野敦、北村想、姫野カオルコ
脚本家:芦野武徳、安部陽子、荒島晃宏、池田太郎、石黒尚美、小川智子、笠井和弘、加藤正人、金村英明、亀和夫、菅乃廣、木田紀生、霧分昇、五藤利弘、西古里江、坂田義和、桜井義久、白鳥あかね、須崎勝彌、鈴木崇、相馬和彦、小鳥遊まり、高梨安英、滝沢真里、竹内清人、田中江里、夏田中貴大、田辺満、谷口晃、玉城悟、千野皓司、津村美智子、中田新一、長谷川隆、樋山貴亮、古田求、町野弘幸、真辺克彦、光益公映、山田耕大、山田英樹、米村正二
第3章 戦後日本映画史が語る脚本と原作の関係
座談 「映画と文学の谷間」 水木洋子、椎名麟三、岡本博(『シナリオ』1957年10月号)
座談 「小説と映画」 水木洋子、武田泰淳、岩崎昶(『映画評論』1959年7月号「特集:小説と映画」)
増村保造「原作小説とその映画」(『映画評論』1959年7月号「特集:小説と映画」)
脚色方法論アンケート
北条誠、平林たい子、青山光ニ、山田風太郎、山川方夫、由起しげ子、樹下太郎、大藪春彦、村上元三、野間宏、石川達三、笹沢佐保、榛葉英治、梶山季之、石坂洋次郎、黒岩重吾、阿部知二
第4章 「やわらかい生活裁判」全記録
あとがき 中野太
2014年(平成26年)8月5日、『プチコミック』9月号(小学館)増刊『姉系プチコミック』9月号(17号)(税込み700円)が発売され、この号から隔月刊になった。
2014年(平成26年)10月9日、オーディトリアム渋谷が閉館した。
2014年(平成26年)11月5日、オーディトリアム渋谷に代わり、ユーロスペースが運営するライブホール「ユーロライブ」が開場した。
2023年の連続テレビ劇『セクシー田中さん』
2015年(平成27年)4月19日、日本テレビ系列で毎週日曜22時30分~23時25分の『日曜ドラマ』の放映が、30歳のTAKAHIRO(タカヒロ、1984年12月8日~)主演の連続テレビ劇『ワイルド・ヒーローズ』第1話で始まった。
この時間帯に日本制作の連続テレビ劇が放映されるのは、1968年(昭和43年)7月21日まで放映された『特別捜査本部』以来46年9か月ぶりだった。
2017年(平成29年)8月19日、『姉系プチコミック』9月号(税込み774円)が発売された。
43歳の芦原妃名子(あしはら・ひなこ、1974年1月25日~2024年1月29日)の連載漫画『セクシー田中さん』第1幕「幸せになりたいわけじゃない」が巻頭カラー76頁で掲載された。
アラフォー独身で、ある会社の経理部で働く田中京子は、夜はペルシャ料理店「Sabalan(サバラン)」のベリーダンサー「Sali(サリ)」だ。
23歳の婚活中の派遣OL、倉橋朱里(くらはし・あかり)は、そんな田中さんの秘密を知り、彼女に憧れる。
2017年(平成29年)10月末、パナソニックが、EFマウント搭載の軽量な5.7Kスーパー 35mm MOSセンサー搭載のコンパクト・シネマカメラ「AU-EVA1」(1,2㎏、参考価格83万円)を発売した。
2018年(平成30年)1月30日発売の『映画芸術』(462号)(税込み1,615円)掲載の年1回発表される「日本映画ベストテン&ワーストテン」から、70歳の編集発行人・荒井晴彦の判断により、アニメ映画劇が選考から除外された。
2018年(平成30年)4月10日、「プチコミックフラワーコミックスα」、芦原妃名子著『セクシー田中さん』第1巻(小学館、本体500円)が発売された。
2018年(平成30年)夏、秋田県で、ステューディオスリー制作、白石一文原作、71歳の荒井晴彦脚本・監督、31歳の柄本佑(えもと たすく、1986年12月16日~)、28歳の瀧内公美(たきうち・くみ、1989年10月21日~)主演の映画劇『火口のふたり』の「AU-EVA1」による撮影が1日間おこなわれた。
白石の許可を得て、荒井が原作の福岡県の設定を秋田県に変えた。
2018年12月14日、東京吉祥寺の吉祥寺パルコの地下2階に、5スクリーン、計300席、最大スクリーンは98席、最小スクリーンは29席の映画館「UPLINK(アップリンク)吉祥寺」が開館した。
2019年(令和元年)8月9日、「プチコミックフラワーコミックスα」、芦原妃名子著『セクシー田中さん』第2巻(小学館、本体500円)が発売された。
2019年(令和元年)8月16日、野村佐紀子(1967年~)写真、60歳の白石一文文の集『あの頃の「火口のふたり」』(河出書房新社、本体1,667円)が刊行された。
映画劇『火口のふたり』原作者の白石が特別に書き下ろした主人公ふたりの前日譚を収めた。
2019年(令和元年)8月23日、アップリンク吉祥寺で、映画劇『火口のふたり』(115分)がR18+指定で公開された。
2018年(平成30年)夏の秋田での32歳の永原賢治と防衛大卒の自衛官である婚約者との挙式を10日後に控えた28歳の従妹の佐藤直子の情熱的な性愛と富士山の大噴火を描く。
映画劇の最後の場面、ダブルベッドに寝たTシャツと下着姿の賢治はTシャツと下着姿の直子に「富士山まだ?」と聞く。
「まだ」「まだか…じゃあ」、賢治は右手を差し出し、、ベッド横の直子をベッドの上に誘う。
賢治は直子を背後から抱きしめ、「直子?」と聞く。
「何?」「中に出してもいい?」、直子は笑う。
「なんで笑うんだよ?」「いいよ」
賢治が秋田公立美術大学が設立した学外法人「アーツセンターあきた」の作品展示室に展示されているの観た、蜷川みほ(にながわ・みほ)の描いた富士山大噴火の絵が挿入され、画面外で直子の激しい喘ぎ声が聞こえる。
賢治は直子の中に射精する。
「賢ちゃん、気持ちいい? いい?」「直子は?」「うん。気持ちいい」
下田逸郎(しもだ・いつろう、1948年5月12日~)作詞・作曲、下村陽子(1967年10月19日~)唄「紅い花咲いた」が流れ始める。
バイオリン伴奏は柴田奈穂だ。
紅い花が咲いて
白い霧が晴れて
青い空がのぞき
あなたもそこにいる
とっても気持ちいい
この場面は原作にはないが、脚本と演出により、性行為そのものを見せずに、性行為の興奮を表現し、さらに射精という目に見えない現象を、切り詰められた単純な台詞と声の変化により表現するという詩的間接表現が用いられている。
また、抑圧されていた力が噴出する射精と火山噴火が詩的連想で重ねられ、さらに「気持ちいい」という詩的語句が人物の台詞と物語り外の歌で結び付くという劇的効果が意図されている。
射精と火山噴火の対比という趣向を、陳腐な通俗的連想の一例とみなすか、卓越した高度な詩的創造とみなすかは人それぞれだ。
2020年(令和2年)6月30日、ワシントゥンDCで、41歳のアビゲイル・シュライアー(Abigail Shrier、1978年6月21日~)著『取り返しのつかない被害:私たちの娘たちを誘惑する性別超越の狂熱』Irreversible Damage: The Transgender Craze Seducing our Daughters(Regnery Publishing)が刊行された。
2020年(令和2年)10月9日、「プチコミックフラワーコミックスα」、芦原妃名子著『セクシー田中さん』第3巻(小学館、本体500円)が発売された。
2021年(令和3年)8月10日、「プチコミックフラワーコミックスα」、芦原妃名子著『セクシー田中さん』第4巻(小学館、本体500円)が発売された。
2021年(令和3年)11月1日に新潟県柏崎市で、萩原葉子(1920年9月4日~ 2005年7月1日)原作、五藤さや香、74歳の荒井晴彦脚本、片嶋一貴(かたしま・いっき)監督の映画劇『天上の花』の撮影が始まり、同月16日に最終ロケ地である群馬県安中市で撮影を終えた。
三好達治(みよし・ たつじ、1900年8月23日~1964年4月5日)を33歳の東出昌大(ひがしで・まさひろ、1988年2月1日~)、萩原慶子を36歳の入山法子(いりやま・のりこ、1985年8月1日~)、萩原朔太郎(はぎわら・さくたろう、1886年11月1日~1942年5月11日)を56歳の吹越満(ふきこし・みつる、1965年2月17日~)、佐藤春夫 (1892年4月9日~1964年5月6日)を61歳の浦沢直樹(1960年1月2日~)、アルス社社長を74歳の萩原朔美が演じた。
2022年(令和4年)4月8日(13日発行)、「プチコミックフラワーコミックスα」、芦原妃名子著『セクシー田中さん』第5巻(小学館、本体500円)が発売された。
2022年(令和4年)11月27日、新潟県柏崎市の柏崎市文化会館アルフォーレで、映画劇『天上の花』(125分)完成披露試写会が催された。
2022年(令和4年)12月9日、東京・新宿武蔵野館、渋谷ユーロスペース、池袋シネマ・ロサほかで、映画劇『天上の花』が公開された。
2022年(令和4年)12月15日、イースト・プレスの編集者がツイッターアカウントで、17日発売予定の『水道橋博士のメルマ旬報』の2017年(平成29年)のニュースを題材とした連載を大幅に改稿した、樋口毅宏(ひぐち・たけひろ、1971年~)著のディストピア小説『中野正彦の昭和九十二年』(イースト・プレス)を批判し、刊行に抗議した。
2022年(令和4年)12月16日、イースト・プレスが、社の内外の批判を受け、樋口毅宏著『中野正彦の昭和九十二年』の回収が発表された。
2022年(令和4年)12月26日、「文春オンライン」で、五藤さや香が、『天上の花』の脚本を改変したことに対し荒井晴彦に謝罪と慰謝料の支払いを求め、片嶋一貴に未払いの脚本料の支払いを求める訴訟を準備中と報じられた。
2023年(令和5年)2月9日(14日発行)、「プチコミックフラワーコミックスα」、芦原妃名子著『セクシー田中さん』第6巻(小学館、本体500円)が発売された。
2023年(令和5年)10月10日(15日発行)、「プチコミックフラワーコミックスα」、芦原妃名子著『セクシー田中さん』第7巻(小学館、本体500円)が発売された。
2023年(令和5年)10月22日、日本テレビ系「日曜ドラマ」枠で、三上絵里子チーフプロデューサー、芦原妃名子原作、52歳の相沢友子(あいざわ・ともこ、1971年5月10日~)脚本、連続テレビ劇『セクシー田中さん』第1話、59歳の猪股隆一(いのまた・ りゅういち、1964年9月14日~)演出「昼は地味なOL、夜はベリーダンサー田中さん」が放映された。
2023年(令和5年)、ニチハフーズ経理部に務める40歳の田中京子を木南晴夏(きなみ ・はるか、1985年8月9日~)が演じた。
23歳の倉橋朱里を生見愛瑠(ぬくみ ・める、2002年3月6日~)が演じた。
撮影は2023年(令和5年)9月~12月におこなわれた。
2023年(令和5年)10月29日、連続テレビ劇『セクシー田中さん』第2話、59歳の猪股隆一演出「朱里の復讐計画!無神経なクズ男に怒りの鉄槌!」が放映された。
2023年(令和5年)11月5日、連続テレビ劇『セクシー田中さん』第3話、伊藤彰記(いとう・あきのり)演出「蘇る恥じらいの記憶!田中さん、無神経男と過ごした空白の夜!」が放映された。
2023年(令和5年)11月12日、連続テレビ劇『セクシー田中さん』第4話、猪股隆一演出「四十肩の苦難!踊れない私なんてただのおばさんよ!」が放映された。
2023年(令和5年)11月19日、連続テレビ劇『セクシー田中さん』第5話、伊藤彰記演出「推しの聖地へ!田中さんの実家にみんなでお泊まり!」が放映された。
2023年(令和5年)11月26日、連続テレビ劇『セクシー田中さん』第6話、猪股隆一演出「田中京子40歳、ファーストキスを半分奪われました」が放映された。
2023年(令和5年)12月2日、アビゲイル・シュライアー著、64歳の岩波明(1959年2月18日~)監訳・解説、村山美雪(168年~)、高橋知子、寺尾まち子(1964年~)共訳『あの子もトランスジェンダーになった:SNSで伝染する性転換ブームの悲劇』(KADOKAWA、本体2,400円)の2024年1月24日の刊行が告知された。
2023年(令和5年)12月3日、連続テレビ劇『セクシー田中さん』第7話、伊藤彰記演出「初デートで脳内バクハツ!無神経男泥酔で靭帯損傷。」が放映された。
2023年(令和5年)12月4日、『姉系プチコミック』1月号(税込み800円)が刊行された。
芦原妃名子著『セクシー田中さん』第15幕「底なしの優しさ」が掲載された。
2023年(令和5年)12月4日、「よはく舎」代表・編集者の小林えみが、アビゲイル・シュライアー著『あの子もトランスジェンダーになった』刊行に関して、KADOKAWAへ「トランスジェンダー差別助長につながる書籍刊行に関しての意見書」を国内外の出版関係者24名による賛同コメントをつけて提出した。
「昨今の差別の激化状況を鑑みると、本書の著者であるアビゲイル・シュライアーが扇動的なヘイターであり、本書の内容も刊行国のアメリカですでに問題視されており、トランスジェンダー当事者の安全・人権を脅かしかねない本書の刊行を、同じ出版界の者として事態を憂慮しています」とある。
2023年(令和5年)12月5日、KADOKAWAが、アビゲイル・シュライアー著『あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブームの悲劇』の刊行中止を発表した。
2023年(令和5年)12月10日、連続テレビ劇『セクシー田中さん』第8
話、宮下直之演出「家政婦のタナカさん。幸せの瑠璃色のスカーフ」が放映された。
2023年(令和5年)12月17日、連続テレビ劇『セクシー田中さん』第9
話、芦原妃名子脚本、伊藤彰記演出「キスしていい?田中京子一世一代の告白!?」が放映された。
2023年(令和5年)12月24日、連続テレビ劇『セクシー田中さん』最終話、芦原妃名子脚本、猪股隆一演出「ラストダンス 退屈な毎日を変える魔法」が放映された。
2023年(令和5年)12月28日、52歳の相沢友子がインスタグラムで、連続テレビ劇『セクシー田中さん』最終話に対する批判を受け、自分には責任がない事を主張した。
2024年(令和6年)1月26日、50歳の芦原妃名子が、Xとブログに連続テレビ劇『セクシー田中さん』の9話・最終話の脚本を自ら書くに至ったいきさつを投稿した。
2024年(令和6年)1月28日、50歳の芦原妃名子がXに「攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい」とし、上記の投稿を削除し。上記のブログも閉鎖した。
2024年(令和6年)1月29日、栃木県日光で、50歳の芦原妃名子が自殺した。
2024年(令和6年)1月30日、日本テレビは、芦原妃名子の訃報と連続テレビ劇『セクシー田中さん』に対して公式サイトでこう表明した。
「芦原妃名子さんの訃報に接し、
哀悼の意を表するとともに、謹んでお悔やみ申し上げます。
2023年10月期の日曜ドラマ「セクシー田中さん」につきまして
日本テレビは映像化の提案に際し、原作代理人である小学館を通じて原作者である芦原さんのご意見をいただきながら脚本制作作業の話し合いを重ね、最終的に許諾をいただけた脚本を決定原稿とし、放送しております。
本作品の制作にご尽力いただいた芦原さんには感謝しております。」
その後、同日中に文章を編集した。
「芦原妃名子さんの訃報に接し、哀悼の意を表するとともに、謹んでお悔やみ申し上げます。日本テレビとして、大変重く受け止めております。ドラマ『セクシー田中さん』は、日本テレビの責任において制作および放送を行ったもので、関係者個人へのSNS等での誹謗中傷などはやめていただくよう、切にお願い申し上げます」
これに批判が殺到し、その後、元の文章に戻された。
2024年(令和6年)1月29日、協同組合日本シナリオ作家協会が、公式YouTubeチャンネル「シナリオ作家協会チャンネル」で、協会会長の黒沢久子(1969年~)、69歳の伴一彦(1954年8月3日~)、女性脚本家「kizaki」、男性脚本家「ざの」出演「【密談.特別編】緊急対談:原作者と脚本家はどう共存できるのか編」(約1時間)を公開した。
黒沢は「まあ、私は「原作者の方に会いたくない派」なんですよ」「いや、私が対峙するのは原作であって原作者の方はあまり関係ないかなあって」と発言した。
2024年(令和6年)2月2日までに、協同組合日本シナリオ作家協会が「出演者・関係者への誹謗中傷や脅迫が相次いだため」という理由で、「【密談.特別編】緊急対談:原作者と脚本家はどう共存できるのか編」の動画を削除した。
2024年(令和6年)2月3日、黒沢久子が協同組合日本シナリオ作家協会の理事を辞任した。
2024年(令和6年)2月4日、協同組合日本シナリオ作家協会が、公式YouTubeチャンネル「シナリオ作家協会チャンネル」で公開した「【密談.特別編】緊急対談:原作者と脚本家はどう共存できるのか編」について芦原妃名子の訃報があった当日に「原作者と脚本家の関わり方などに関して敬意や配慮を欠いた動画を配信した」として謝罪文を公開した。
2024年(令和6年)2月8日、52歳の相沢友子はインスタグラムに、芦原妃名子の訃報についての感想を投稿した。
この投稿は同日中に削除された。
『セクシー田中さん』第7巻冒頭には、連続テレビ劇放映前の2023年8月31日付で芦原妃名子のメッセージ「物語終盤の原作にはまだないオリジナルの展開や、そこに向かう為の必要なアレンジについては、あらすじからセリフに至るまで全て私が書かせて頂いてます。恐らく8話以降に収録されるはず」等が掲載されているので、これを相沢が読んでいたとすれば、この投稿の説明は保身のための嘘だとわかるし、逆に、相沢がこれを読んでいなかったのだとすれば、原作者への敬意が欠けていると思わざるをえない。
2024年(令和6年)2月8日、芦原妃名子の訃報に対し、小学館の第一コミック局編集者一同からのコメントが、プチコミック(小学館)の公式サイトで発表された。
ドラマの放送前に発売されました『セクシー田中さん』第7巻冒頭には、2023年8月31日付で先生のメッセージが掲載されています。「原作の完結前に映像化されることに対してどのように向き合ったのか」について、こう言及されています。
〈まだまだ連載半ばの作品なので、賛否両論あると思いますが キャラやあらすじ等、原作から大きく逸れたと私が感じた箇所はしっかり修正させて頂いている〉
〈物語終盤の原作にはまだないオリジナルの展開や、そこに向かう為の必要なアレンジについては、あらすじからセリフに至るまで全て私が書かせて頂いてます。恐らく8話以降に収録されるはず。〉
原作者として、ごく当然かつ真っ当なことを綴られる中で、先生は〈恐らくめちゃくちゃうざかったと思います…。〉とも書いていらっしゃいました。
2024年(令和6年)2月15日、日本テレビが、芦原妃名子の死を受け、小学館や外部有識者の協力を得て、ドラマ制作部門から独立した社内特別調査チームを設置することを決めたと発表した。
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