
今回は、薬学部の偏差値推移や難易度レベルの動向について解説します。
「薬学部の難易度は昔と比べて上がっている?」
「薬学部の今後の偏差値の推移は?」
このような疑問をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。
今回の記事の内容をまとめると、以下のようになります。
・2003~2005年にかけて薬学部を新設する私立大学が増加し、偏差値が下降
・2006~2010年には薬学部が6年制となって人気が下がり、偏差値も下降
・現在では地方大学の薬学部は偏差値が低く、都心の大学の薬学部は偏差値が高い二極化が進行
この記事を最後まで読むことで、「薬学部の偏差値や難易度は昔と比べてどう変化しているのか」という疑問が解消され、現在の薬学部の偏差値の傾向や、今後どのように推移していくかについてわかるでしょう。
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薬学部の偏差値推移|昔の難易度レベルと比較した動向は?
薬学部を目指す方にとって重要なことと言えば、薬学部の難易度レベルがどの程度であるかということです。そして薬学部の難易度を測る目安となるのが「偏差値」です。
これまで薬学部の偏差値は時代とともに推移していて、その変遷の傾向を知っておくことで今後の偏差値予想もある程度することができます。そこで今回は、昔から薬学部の偏差値がどのように推移してきたのかを見ていきましょう。
また、現在の薬学部の大学ごとの偏差値一覧が知りたい方は「【薬学部偏差値ランキング】国立/公立/私立大学の偏差値一覧!関東・関西全て網羅!」もぜひ参考にしてください。

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【1990年〜2000年】就職氷河期で薬剤師人気が上昇|偏差値上昇
1990年には地価や株価が大きく下がるバブルの崩壊があり、景気が後退することになりました。その結果、1990年代半ば多くの企業の業績が悪化することになり、求人が削減されたことで就職氷河期と呼ばれる時期になりました。
就職氷河期では多くの企業が人件費を削減するため、求人数を減らしたことで、就職が難しい新卒生が多く出る事態となりました。そんな状況の中で、薬剤師の人気はむしろ上昇していました。
国家資格である薬剤師になれば、採用する病院や薬局からすると替えが利く人材ではなく、就職氷河期の中でも就職に困ることが少なかったのです。就職が難しい社会情勢によって、安定した就職を望む学生からは薬剤師が人気となりました。
【2003年〜2005年】薬学部を創設する私立が急増|偏差値下降
薬学部を目指す学生を集客しやすいということもあって、2003年〜2006年にかけては私立大学の薬学部が24校も増設されることになりました。
私立大学は、国公立大学と比較すると利益を追求しないと経営が立ち行かなくなるということもあり、集客のしやしさから薬学部に目をつけたのです。
このようにして急激に薬学部が増設されたことで、全国に薬学部が乱立する形となり、薬学部全体のレベルは下がることになりました。受験生にとっては、定員数が増えて薬学部の偏差値が下がったのでより目指しやすい環境となりました。
昔からあった大学の薬学部は偏差値が高いままのところもありましたが、この頃に新設された薬学部は偏差値が低い傾向にあり、開設されたときから依然として偏差値が40代の薬学部も存在します。
このように2003〜2005年は、薬学部のレベルが下がったことで多くの学生が薬学部を目指せるようになり、薬剤師は増えることになりました。
【2006年〜2010年】薬学部が6年制になり人気が下降|偏差値下降
2006年度入学者より、薬学部は6年制となりました。この変更を受けて、薬学部の人気はこれまでよりも下降することになりました。
これまでの4年制から6年制になったことで、6年間学んでまで薬剤師になりたくないと感じる学生や、6年間勉強する割には給与がそこまで高くないと感じる学生も現れるようになりました。
そのような学生は、これまでのように薬学部受験をすることはなく、別の学部に進学することが多くなりました。
また、学費も6年分となって経済的な負担が増し、薬学部への進学を避ける学生も増加することになりました。薬学部人気が下がったことで、薬学部を志望する受験生のレベルも下がる傾向になり、偏差値はさらに下降しています。
【2006年〜】地方大学は下降傾向、都心の大学は上昇傾向|偏差値二極化
2006年以降、地方大学の薬学部は人気が下がり、偏差値も下降する傾向にあります。それに対して都心部の大学の薬学部では人気が上昇し、偏差値も上昇する傾向にあります。
その結果、近年では薬学部の偏差値が高い大学と低い大学とで二極化が進行しています。
都心部の大学は交通アクセスが良く、設備も充実していることが多いため、受験生からの人気が高くなっています。そのため偏差値は高い傾向が強いです。
一方で地方大学は交通アクセスが悪く、設備が老朽化していたり、研究のレベルが高くない傾向にあるため、受験生からも敬遠されがちです。その結果偏差値も下降傾向にあります。
これらの理由から、薬学部の偏差値は地方大学と都心部の大学とで差が開いていると考えられます。
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薬学部の偏差値は今後どのような推移が予想される?
それでは、今後薬学部の偏差値はどのように推移していくことが予想されるのでしょうか。
2020年現在は、薬学部が6年制になったことによる偏差値の下降は下げ止まりし、偏差値は安定してきています。
さらに、2020年に感染拡大した新型コロナウイルスの影響によって就職難の状況が続いていることや、2025年には日本が超高齢化社会を迎えることを受けて、今後は薬剤師の需要が高まることが予想されます。
「2025年問題」とは、戦後すぐの第一次ベビーブーム(1947年~1949年)の時に生まれた、いわゆる"団塊の世代"が後期高齢者(75歳)の年齢に達し、医療や介護などの社会保障費の急増が懸念される問題を指します。
2025年には後期高齢者人口が約2,200万人に膨れ上がり、国民の4人に1人が75歳以上になる計算です。
そして医療有資格者である薬剤師という職業の人気が高まると、自ずと薬学部の偏差値も上がることが予想されます。
また、現在でも受験生の多くは都心部にある大学への志向が強いため、今後も地方大学の薬学部では偏差値が下がり、逆に都心部の大学の薬学部では偏差値が上がっていくという二極化が続くことも考えられます。
都心部の大学には確かに優れた学習環境が整備されていますが、その分偏差値も高くなる傾向にあることを意識しておきましょう。
また、比較的入りやすい偏差値が低い薬学部がどこか知りたい方は「薬学部で偏差値が低い大学はどこ?偏差値が低い薬学部に入るデメリットや注意点」もぜひ参考にしてください。

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