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大阪公立大で青酸カリなど紛失…160~250人分の致死量に相当、届け出に2週間

大阪公立大・杉本キャンパス

 大阪公立大は16日、杉本キャンパス(大阪市住吉区)にある大学院工学研究科の研究室で、いずれも毒物の青酸カリ(シアン化カリウム)と青酸ソーダ(シアン化ナトリウム)の粉末計50グラムを紛失したと発表した。160~250人分の致死量に相当するという。

 発表によると、年1回の定期点検が行われた5月2日、実験用に購入した粉末25グラムずつが入った瓶2本が薬品の保管庫からなくなっているのに教員が気づいた。最後に確認されたのは昨年6月の定期点検だった。

 保管庫には鍵がかかっており、鍵が入った専用ボックスは、事前に登録した教員と学生計18人が職員証や学生証を使って開ける仕組みだった。ボックスを開閉すれば日時や氏名が記録されるため、部外者が持ち出した可能性は低いという。

 毒劇物取締法では、青酸カリなどを紛失した場合は速やかに警察に届け出る義務があるが、大学側が大阪府警に届け出たのは2週間近くたった15日だった。

 同大学の桜木弘之副学長は記者会見で、「法令に対する認識が甘かった。心配をかける事態を招き、深くおわび申し上げる」と謝罪。府警に被害届を出すことを検討するという。

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