断捨離嫌いな性格タイプ
断捨離嫌いな性格タイプの話ですが、
まずは、断捨離好きな性格タイプから話していきます。
全てのタイプを見ているわけでは無いので独断と偏見になりますが、
安心・安全・安定 大好きタイプ6が断捨離好きに私には見えます。
身近に(安定が崩れた)混沌があるのが嫌なようです。
だからわけの分らないものはとにかく捨てる。
身の周りは、秩序だってわけの分るものだけにしていたい。
仕事で読んだメールを片っ端から削除してメールボックスをすっきりさせて、仕事に支障をきたしたタイプ6を見たことがあります。
新しい人から仕事で質問されたので、「メールに書いてたよ」と言ったら、既に捨てたと言われたので思わず相手にキツく注意してしまったことがあります。性格タイプとしての気持ちは分るのですけども、なんとも困ったものです。その後はむやみに捨てることはなくなったようです。
自転車屋さんで、たぶん中古自転車から取っていた雑多な部品を捨て過ぎて怒られている従業員を見たこともあります。
「整理して捨てるのはいいんだけどさ!どんどん捨てていって、必要なものまで捨てたら仕事にならないだろう!?」と言われていました。
立場が上の人から文句を言われて、固まってしまって少し困惑しているようにさえ見えるおじさん従業員を見て、
「タイプ6かな(違うかもしれないけど)」
と思ったことがあります。
タイプ9も迷わず捨てますね。タイプ1も。あとは分りません。
それで、今回の本題、断捨離嫌いな性格タイプなのですが、筆頭はたぶん『思考者』タイプ5です。
とにかく何でもため込む可能性が高い。
これがプラスとして出てくるのが博物学。悪食ともいえるほどため込んだ末に、見えてくる学問などはタイプ5的です。
『研究室に行ってみた。国立科学博物館 哺乳類分類学 川田伸一郎 第5回 「無目的、無制限、無計画」の大切さ』から引用します。
「無目的、無制限、無計画。3つの無、とか言ってます。博物館の仕事は展示と研究だけじゃない。そのために大切なのは標本。そして、標本を集めるスローガンが、『3つの無』です」
(略)
「まず、無目的。研究に役に立つからといって集めるなら、ぼくの場合、モグラばかりのコレクションになるでしょう。ぼくには面白いけど、ほかの研究者には意味がないかもしれない。自分の目的のために集めているだけじゃだめなわけです。そして、無制限というのは、標本って、ひとつだけで分かることもあれば、たくさん見なければ分からないことも多いんです。ヨーロッパモグラの頭骨を8000点見た論文の話をしましたよね。種の中の変異を見るには、やっぱり数を見なきゃならない。ぼくがアルタイモグラを約1800点みて、歯の変異を確認した研究は、8000点の論文に触発されていたんですが、それもやっぱり無目的に無制限に標本化していた博物館のおかげだったわけです」
(略)
自然史博物館で標本を担当する人たちは、川田さんに限らず、かなり普遍的にそうしたいと思っているようだ。少なくとも、ぼくがこれまで話すチャンスがあった、自然史博物館関係者は、洋の東西を問わず同じ主旨のことを述べていた。
「そして、無計画という要素を僕は付け加えます。哺乳類の標本って、法的にも、倫理的にも、金銭的にも、いろいろ制限がかけられることが多いです。だから、チャンスが大事で、集められる時に集めておかなければ、ということです。真夏の動物園で大型哺乳類が死んで、獣医さんから電話がかかってきたとします。おりしも気温は35℃みたいな状況では、待ったなし、です。いろいろ会議とか計画が入っていたとしても、そっちはなんとか理解してもらって引き取りにいきます。と同時に、僕らは基本的には骨と皮の標本を作るので、軟組織を調べたい研究者仲間に声をかけて、興味のある人にはやはり自分の予定をキャンセルしてでも集まってもらいます。そんなふうに無計画にまわりを巻き込んで、標本集めをしているわけです」
なんだかすごい。
(略)
「誰も興味ないような、研究者的には雑魚と思われてるようなものでも、集めます。例えば、クリハラリスとか、こんなの集めてもしょうがないと、普通の人は思うんですよ。でも、定期的に送ってもらって、ちゃんと皮も骨も残して標本にしていますから。これなんのため、と言われても、数を集めれば分かることもあるでしょうとしか言えないわけです」
『 研究室に行ってみた。国立科学博物館 哺乳類分類学 川田伸一郎 第1回 「モグラ博士」にして「標本バカ」』より
「もっとバカげたものを見ますか?」と川田さんは言った。
「はい、見ます」意図が分からぬまま、ぼくは即答した。
(略)
「クリハラリスです。たぶん、今、ある標本は600くらい。でも、これ2カ月ごとに箱に入って20個体くらい送られてくるんです。すべて同じ五島列島の島で駆除されたものなんですが」
クリハラリスは、いわゆるタイワンリスのことで、外来種だ。五島列島では、農産物の食害などがあり、定期的な駆除の対象になっているとか。
さらに別の階に進む。棚から外れた壁沿いに、ケースに入れられて、うずたかく積まれているものがあった。よくよく見ると。骨だ。頭骨だ。
「ニホンカモシカです。岐阜県や長野県で農林業被害のために個体数管理されているのをもらっています。頭骨だけですが、まだ登録していないものも含めると9000個体分すでにあって、うちの哺乳類標本では一番多い種になりました。しかも毎週50個体ペースで増えてます。頭だけ常温で何年も保存しているところがあって、今、やっているのは17年前、17年ものの頭骨です。完全に腐ってドロドロなんで、洗うだけできれいな標本になるんですが、一度に何10体もやるとやっぱり疲れます」
ニホンカモシカは、特別天然記念物だ。手厚く保護されているが、場所によっては林業や農業に被害を与える。個体数管理、つまり、捕獲する必要があり、各県でいわゆる「適正管理計画」なるものが実施されている。その際、必然的に生じる遺体を受け入れることで、川田さんは、毎週50体ペースの新たな標本を得ている。
しかし……大丈夫なんだろうか、と思った。いくら大きな収蔵庫ビルがあろうと、この調子で受け入れ続けたら、すぐに収容スペースがなくなってしまうのではないだろうか。受け取る側の作業量も半端ではないだろう。
「今朝も、カモシカの頭骨、1箱分、洗ったばかりでして。もうどれだけ集めたら気が済むんだとか言われますけど、標本って数があってはじめて分かることも結構あるんです。クリハラリスなんて、一般的には、雑魚みたいに思われる外来種かもしれないから、標本を100持っているところなんてほとんどないと思います。でも、それも500、600集めるとか。僕は、1個体だけじゃなくて、その種の中で変異を見たい方なんで、雑魚集めと思われようと、そういうのが好きなんで」
標本バカ。自ら名乗るだけあって、何か狂気にも似て燃えさかる「青い炎」のごときものを川田さんの背後に感じた。
※ 関連『なぜ、タイプ5は情報を集めるのか? ― たぶんタイプ5的な考え方』
ちなみに、タイプ5の国はイギリス。以前、日本のある種類の桜の保全活動の話を読んだときに、「イギリスなら当然残そうとする」と語ったイギリス人が出てきて(記憶で書いています)、私としては、「まあ、タイプ5の国だからね」と思ったことがありました。
タイプ5はとにかく残すのです。
断捨離から最も遠い存在だと言えます。
エニアグラムを離れて言えば、
「収束的思考(集中的思考)」力の強い人は、断捨離好きだと思いますし、
「拡散的思考(水平思考)」力の強い人は、断捨離が苦手だと想像します。
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