世界で一番暇な俺。
何か一つを誇るなら。私は私の暇を誇る。世界中の三十九歳の中で、私が一番暇だと思う。三歳児より暇だ。三歳児は三歳児なりに忙しい。私は三歳児より暇で、痴呆症の老人より暇だ。暇だと、暇を嗅ぎ取った貴族から「一緒に遊ばないか」と声がかかる。早朝の市場に呼ばれたり、海外旅行の同伴者になったりする。暇人に金はない。金がないと人生は破綻すると思われる。だが、私の人生は謎に破綻をしていない。出会う人からどうやって生活しているのですかと聞かれるが、俺が聞きたいくらいだと思う。
暇だが、人生に退屈している訳ではない。逆。愉快だ。愉快であることを最優先事項にしている。愉快なら残る。愉快じゃないなら離れる。時間はあるから呼ばれた場所にすぐ行ける。これが案外重宝される。みんな忙しいから、明日からエジプトに行こうと言われても行けない。私は行ける。呼ばれた場所には何処でも行く。浮世離れして行くが、感動されることもある。昨日、人生的に迷っている女医のT様から焼肉をご馳走になった。T様は「医療と食を融合させた次世代療法を開発したい。自分にとって食は大切だ。坂爪さんにとって、食ってどうですか」と問われた。観察眼の鋭い私は、食に走る人々はダメになることを知っている。彼らの関心は、食ではなく愛にあることを知っている。
食に走ると「人間は食べているものでできている」というお決まりの常套句を口にするようになる。まず、これが間違いだ。人間のエネルギー源は食ではない。食は全体の10%程度で、大概は呼吸でエネルギーの生成を行っている。食に走ると、呼吸が浅くなる。常に何かに焦らされ、正しい食事と正しくない食事の二元論に侵され、肉体的には健康になれたとしても、精神的には日に日に窮屈になり能面みたいな顔になる。笑顔は笑顔なのだが、凍結した笑顔だ。観察眼の鋭い私は、T様に「あなたは本当は医者を辞めたいのではないのですか」と聞いた。すると、T様の瞳から大粒の涙が次から次に溢れ出した。私は、T様のコアに肉薄成功した。
医者や弁護士は「医者や弁護士である自分」にアイデンティティを置くために、それを失うことを恐れる。高学歴の人間に多いが、せっかく良い大学を出たのだからそれを生かさなければもったいないと思って、苦しみの輪廻から抜け出せなくなる。辛い。苦しい。痛い。悲しい。暴論をかましたい。ボーロンかましてよかですか。生活のためとか考えるから、ダメになる。これをやれば生きていけると思えることをやると、死ぬ。生活のためにやるからダメになる。生活のためになんかやらなくていいんだよ。ただ、やればいいんだよ。医者は、医者をやっている間は生きていける。この「生きていけてしまう」という現実が、お前を殺しているのだ。
世界を冷静に観察しよう。暇人に保証はない。一ヶ月後には野垂れ死んでいるかもしれない。保証を求めるより、保証を求めない方が、平気で生きられるようになる。暇人は「これまでもどうにかなってきたように、これからもどうにかなっていくのだろう」と、深い呼吸でリラックスをしている。自分の力で「どうにかする」と思わない。自分を含めたあらゆる力を総動員して「どうにかなる」と思っている。暇になれば生活していけるから暇をやっている訳ではない。自分でもなんで生きていられるのかわからないまま、生きていられることを喜んでいる。自分は生活をコントロールできているなどと思い上がるから、苦しくなるのだ。どのような生き方をしても、生活なんてものは簡単に成り立つ。俺を見ろ。普通に生きている。暇でやっていること(存在していること)が、思わぬところで誰かの役に立つ。私が、先に与えている。世界で一番暇な私は、一般的な価値観とは逆流する。より一層、暇に磨きをかけたいと思う。
坂爪さん
おはようございます。
毎日いただいた本を読み、坂爪さんのnote記事を訪れ、自分の狂いを坂爪さんに調律していただいているこの数日です。
私は、坂爪さんとお会いして、坂爪さんが届けようとしてくださっている愛を、ただ大切に丁寧に受け取ることがどれだけ大切かを知りました。
その受け取り方を坂爪さんが教えてくれました。
向けられている愛に気がつくことができるかどうか、でした。気がつけば、私のまわりにはたくさん愛がありました。
私は、ずっと自分が「からっぽ」であることを恐れていました。それはまるでブラックホールのような感覚で、飲み込まれてしまいそうだと思っていたんです。ぞわっとした感覚を思い出して怖くなっていました。
でも、坂爪さんのことばを拝見していたら、そもそもこの空間(スペース)こそが自分であって、それは愛を受け取るためにあるもの、だからそのままでいいんだと思えました。
私は坂爪さんの愛に気がついたとき、自分のスペースが軽くてふわ〜っとして、ふくよかで、やわらかくなっていく感覚を覚えました。と同時に、ああ、自分のなかからも溢れてくる愛があるなって、なんだかとても感じたんです。それはとても幸福なものでした。
坂爪さんとお会いしてから、毎日が驚きの連続です。
私の醜さを、坂爪さんが時空を超えて、あらゆる形で今も受け止め続けてくださっているような、そんな感じがします。きっと坂爪さんご自身が自然そのもの、なのですね。
とてもとても美しいです。
受け取っています、坂爪さん。という思いをこめて。
ありがとうございます。
おおまかな予定
5月30日(木)静岡県熱海市界隈
以降、FREE!(呼ばれた場所に行きます)
連絡先・坂爪圭吾
LINE ID ibaya
keigosakatsume@gmail.com
SCHEDULE https://tinyurl.com/2y6ch66z
バッチ来い人類!うおおおおお〜!
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