離婚後「共同親権」当事者の声を聞いて 弁護士 岡村晴美さん 【インタビュー】 『新婦人しんぶん』2024年5月25日号
離婚後「共同親権」を導入する民法改正案が今国会で採決強行されました。SNS、国会内外で連日、反対を訴える先頭に立っている岡村晴美弁護士。「ちょっとまって共同親権国会前集会」での発言より紹介します。
相談に来られる方は、最初は泣いてばかりで話ができない方もいます。DVや虐待の被害にあった女性の多くが、自己肯定感が持てないなどの心の悩みを抱えています。必死に子育てをしてきて、耐えに耐えて子どものために家族を続けたいと思ってやってきた。でも、それがもう無理だから離婚するんです。
子どもを連れてやっとの思いで逃げてきた人に対して、裁判や離婚調停で、別居している側の親が「虚偽DVだ」「実子誘拐」などと強い言葉を投げつける場面を見てきました。「ちょっと待って共同親権プロジェクト」の調査では、別居・離婚した夫婦の58%が配偶者、元配偶者からDV・虐待・嫌がらせを受けています。彼らは対等な関係になく、話し合いができない状態がほとんどです。
共同親権推進派の政治家はこの法案を導入する理由として「(単独親権では)親権がない親が子育てに関われない」「父
母が子の養育に関わることで子どもの健全な成長を実現できる」などと繰り返し発言しますが、彼らは当事者の現実を見ていないのでしょう。
先日美容院に行き、シャンプーしてくれる人に共同親権のことを話しました。その人は「私はひとり親家庭で育ちました。父親がいじわるして離婚に応じず、お母さんは最高裁まで離婚を争った。共同親権になったらすごくこわい」と言っていました。
共同親権推進派の政治家はこの法案を導入する理由として「(単独親権では)親権がない親が子育てに関われない」「父
母が子の養育に関わることで子どもの健全な成長を実現できる」などと繰り返し発言しますが、彼らは当事者の現実を見ていないのでしょう。
先日美容院に行き、シャンプーしてくれる人に共同親権のことを話しました。その人は「私はひとり親家庭で育ちました。父親がいじわるして離婚に応じず、お母さんは最高裁まで離婚を争った。共同親権になったらすごくこわい」と言っていました。
私の後ろには、私と同じようにDV事件を扱う全国の弁護士、離婚後配偶者への不安を抱える女性たち、暴力被害女性の支援者たちがいます。この国会前にも多くの人が集まりました (3/29は700人、5/8は400人)。私たちは少数派ではありません。あきらめないで、弱い立場の人が護られるようがんばっていきましょう。
おかむらはるみ 名古屋大学法学部卒。2007年に弁護士登録。名古屋南部法律事務所に所属。 Xのアカウントは 「小魚さかなこ」。参考人質疑での意見陳述の動画が42万を越えて視聴されている
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