広島ドラゴンフライズ(ワイルドカード)が琉球(西地区2位)を破り、対戦成績を2勝1敗として初優勝を飾った。
ワイルドカードから頂点まで駆け上がったのは、21-22シーズンの宇都宮以来で2度目。B2から昇格したチームの優勝は初めて。琉球はA東京以来の2連覇を逃した。
広島は第1クオーター(Q)から主導権を握る。司令塔の中村拓人や山崎稜の3点シュートなどで17-12とリード。第2Qも多彩な攻撃で着実に得点を重ね、36-29で前半を折り返した。第3Q以降も相手に1度も追いつかせず、そのまま押し切った。
21年に就任したカイル・ミリング監督(49)は、守備やリバウンドを重視したチームづくりを行った。1年目は西地区6位、2年目の昨季はワイルドカードで初のCSに進出(準々決勝で敗退)するなど、着実に階段を上がってきた。「バスケはメンタルが80、技術が20」と言い、選手1人1人の状態を常に気にかけ、声をかけ続けてきた。
今季の大きな節目は3月3日。ホーム千葉J戦で司令塔の寺嶋良が右膝に大けが負い、長期離脱を余儀なくされた。開幕2カード目からそれまで全試合先発出場していた大黒柱の離脱。しかし、チームはそこから結束した。レギュラーシーズンの残り19試合を15勝4敗の高勝率で突っ走り、ワイルドカードに滑り込む。CSでも中地区1位の三遠を2連勝で一蹴。名古屋Dとの準決勝は2勝1敗で勝ち上がり、決勝の舞台に立った。
寺嶋の代わりに司令塔役を託されたプロ2年目の中村拓人は「3月の時もCSに入る前にも、良さんから『頼んだぞ』とメールをもらいました。良さんのために、という思いでやってきた」と話した。
16年のBリーグ創設から4シーズンはB2。B1に昇格した20ー21年シーズンから4シーズン目で初の頂点に立った。18年12月に英会話スクール大手NOVAの傘下に入り、クラブ経営が安定。充実した戦力が整い始めた。
広島ではプロ野球のカープ、Jリーグのサンフレッチェに人気面で先を行かれているが、今回の躍進で注目度も急上昇。横浜アリーナにも広島から多くのファンが駆けつけた。サンフレッチェ広島のホーム、エディオンピースウイング広島ではパブリックビューイングも行われた。「GEKOKUJO JAKE」(下克上じゃけぇ)が、ついに完遂した。