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CrescentShadow
顔面600族に絡まれる非凡リーマン - CrescentShadowの小説 - pixiv
顔面600族に絡まれる非凡リーマン - CrescentShadowの小説 - pixiv
2,903文字
顔面600族に絡まれる非凡リーマン
注意)
・notネイティブコガネ弁(翻訳機使用)

へべれけ顔面600族にうざ絡みされるアオキさんが見たい!
そんなこんなでつらつら書いていたらいつの間にか無事完結していました。
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2024年4月29日 03:21

この日のパルデア各地のジムリーダーや四天王の交流会はチャンプルタウンの宝食堂で行われた。
わいわいと周りが賑わっている中、グルーシャは隅の方でただひたすら食べていたアオキの隣を陣取って、アオキの胃袋に吸い込まれる焼きおにぎりをぼーっと眺めていた。彼が焼きおにぎりを食べ終えるタイミングを見計らって、グルーシャは話しかける。
「あんた、いつもこんなに食べるの?」
「……えぇ。」
「相変わらずすごい量だね…。」
そう促してはみたものの、アオキから返事はなかった。なんとなく気まずくなってしまい、グルーシャは別の話題を振ろうとしたが、なにも思い浮かばず、二人の間に沈黙が流れた。
グルーシャはこの黙々と食べるサラリーマンに絶賛片思い中である。初めは冴えないおじさんだと思っていた。しかし、交流を重ねていくうちに、たくさんの魅力を見つけてしまい、気づいた時にはもう遅かった。バトルになると猛禽ポケモンのような鋭い目つきに代わること、ポケモンたちに対する愛情があふれんばかりにあること、目を細めて幸せそうに食べる姿など、好きなところを挙げるときりがない。
「あ、あの……アオキさん…。」
「……はい?」
「えっと……その……。」
勇気を出して話しかけてみたが、やはり言葉が出てこない。すると、アオキは食べ終わった焼きおにぎりの皿を持って立ち上がった。そして、そのままグルーシャに背中を向けて去ろうとする。
(あぁ、またいつもと同じでダメだったか。)
と、諦めかけたその時だった。
「あぁ、そうでした。チルタリスのことについて少し聞いてもよろしいでしょうか?」
「うん。ぼくでよければ…。」
思いがけぬ展開に、グルーシャは内心動揺と嬉しさで声がひっくり返りそうになったが、平静を装ってアオキに返事をした。
「最近チルタリスの元気がないんです。」
「え?そうなの?なにかきっかけとかは?」
「……いえ、それがさっぱりでして……。」
「そっか。あ、でも、もしかしたら天候とかのせいかもしれない。最近チャンプルタウンの周辺土砂降りだったし。ぼくのチルタリスもたまに湿気で機嫌が悪くなる時とかあるんだ。」
「なるほど。たしかに、チルタリスの様子がおかしくなったのはチャンプルが悪天候になった頃でした。さすが、グルーシャさんですね。ポケモンに対しての情熱は現役ですね。」
突然の誉め言葉に、今度こそ動揺を隠せなかったグルーシャは俯いて「うん。」ととても小さく情けない声を出すのが精一杯だった。
ひとしきり会話を交わし、勇気をふり絞ってスマートに遊びに誘おうとグルーシャが言いかけたその時だった。
「あの、アオキさん。もしだったらぼくのチルタリスとアオキさんのチルタリスで遊ばせてあげ…」
「おうおう!隅っこで二人とも何してんねん!」
緑髪の威勢のいいコガネ弁が二人の間に割り込んできた。
「地面タイプの四天王〜!チリちゃんやでぇ!」
随分と酔って出来上がっている彼女にグルーシャは冷たく
「チリさん、そんなことここにいる誰でも知ってるから。」
と、言い放った。
チリはグルーシャにとって最大の敵である。彼女がアオキに好意を寄せていることは周知の事実である。同じ四天王がゆえに、仕事で一緒になる機会が多いらしく、所かまわずアオキに猛アタックをかましている。
「さすが氷タイプのジムリーダーさんやわ、対応が冷たすぎてチリちゃん凍ってまう!」
「チリさん、もうその辺にしといてください。さすがに酔いすぎですよ。」
「えー!アオキさんがそないなこと言うなんて珍しー!そんな日もあるんやね!」
グルーシャはチッと心の中で舌打ちをした。
(ぼくが必死でデートに誘おうとしたところを邪魔しやがって……そもそもデートかは、まあ、置いといて…。)
そんなことを考えていると、チリがグルーシャに問いかけてきた。
「そういえばグルーシャ、さっき何か言いかけへんかった?」
「あ、いや……別に……。」
「そう?ならええけど。で、アオキさん。次はいつうちに来てくれるん?」
「またその話ですか……勘弁してください。いくら余ったお惣菜目当てでも女性の家に独身男性が入るのはどうかと…。」
「えー!そんないけずなこと言わんといてやぁ~!」
チリがアオキに抱きつくと、アオキはいつも通りの無表情で、しかしどこか困った様子だった。グルーシャは怒りやら悔しさやらでもうどうにかなってしまいそうだった。しかし、ここで自分がブチ切れたら負けだと考え直し、冷静さを取り戻してチリを引き剥がした。そしてそのままアオキの手を引っ張って、チリから距離を取る。
「お!珍しくグルーシャ、今日は随分行動的やなぁ!」
「グルーシャさん……?」
アオキは困惑して、掴まれた手を振りほどこうとするが、グルーシャは必死に離さないよう力を込める。
「ちょっとあっちで話そう。」
そう言ってそのまま手を引っ張り続けた。そして少し離れたところの空いている席に着くと、ようやく掴んでいた手を離した。しかし、アオキの顔を見るのが気まずくて下を向いてしまった。
「あの……これは一体どういう状況でしょうか……?」
アオキは困惑した表情を浮かべながら問いかけてくる。
心臓が爆発してしまいそうなくらいバクバクしていたが、今はとりあえず本題に移るべきだと思い、ゆっくりと深呼吸してから覚悟を決めて顔をあげた。
「あのさ……アオキさん。あんた、チリさんのことどう思ってんの?」
「どうとは……?どういう意味でしょうか……?」
「だから!チリさんのこと好きなのかって聞いてんだよ!」
「はぁ!?」
突然のことに驚いたのか、アオキは目を見開いている。そして少し間を開けてから、口を開いた。
「……確かに、同僚としては尊敬していますよ」
「そういう意味じゃなくてさ!恋愛対象として見てんのかって聞いてんだよ!!」
グルーシャはついムキになって大声を出してしまった。アオキは、相変わらず無表情のままだったが、困惑している様子が伝わってくる。
「あなたには関係ないのでは…」
「関係あるよ!だって、だって!ぼく、アオキさんのこと….。」
だんだんと言葉が小さくなったと思えば、グルーシャは机に突っ伏して寝てしまった。
「アオキさーん、もうお開きらしいでー!って、あーあ。こりゃ完全に潰れとるわ。」
チリはアオキの隣で眠りこけているグルーシャを見て、呆れたように言った。
「すみません、自分もまさか彼がこんなに酔っているとは思いもしていなくて……。」
アオキは申し訳なさそうに謝る。
「別にアオキさんが謝ることちゃうねん。それより、こいつどうします?トップになんか言うときます?」
「いえ……ストップかけていなかった自分が悪いので、責任をもって送ります。」
「そっか。わかった。ほなアオキさん、また週明けな!くれぐれも浮気せんといてな~!」
「全く、貴方は何を言っているんですか…。」
狼狽するアオキを背にチリは去っていった。

翌朝、アオキのスマホロトムは何十件ものグルーシャの謝罪メールで通知が鳴り止まなかった。

顔面600族に絡まれる非凡リーマン
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2024年4月29日 03:21
CrescentShadow
コメント
雅鵺 M/
雅鵺 M/
5月19日

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