港区長選告示、立候補3人の第一声は? 現新の三つどもえ 多選是非、防災対策など争点

2024年5月27日 06時41分
 東京・港区長選は26日告示され、元都議の菊地正彦さん(71)、元区議の清家愛さん(49)の新人2人と、6期目を目指す現職の武井雅昭さん(71)=自民、公明推薦=が、いずれも無所属で立候補を届け出た。現区政への評価や多選の是非、タワーマンションが立ち並ぶ湾岸エリアの防災対策などを争点に、6月2日に投開票される。25日現在の選挙人名簿登録者数は20万7337人。(届け出順)

◆菊地正彦(きくち・まさひこ)さん(71)無新
 財政の無駄をチェック

菊地正彦さん

会社役員(元)都議▽日大院中退
 午後2時過ぎ、白金高輪駅近くで「財政豊かな富裕区だからこそ、無駄がある。徹底的にチェックし、ただす」と訴えた。港区は、都の特別区への普通交付金を受けず、約1800億円の予算を執行している。「税金は区民の生活、還元のために」と力を込めた。
 災害対策の重要性も強調。区内人口がマンション建設などで30年前から約10万人増加したことに触れて「人口が増えると、災害リスクが大きくなる。新しい街と、元々住んでいる人とのコミュニティー構築は一番大きな問題」と主張した。
 20~30%台の区長選の低投票率にも言及。「これでは団体、組織の候補者が勝つに決まっている」と指摘し、組織に頼らない姿勢をPRした。(奥野斐)

◆清家愛(せいけ・あい)さん(49)無新
 長期政権 見過ごせない

清家愛さん

(元)区議・不動産会社役員・産経新聞記者▽青学大
 午前10時、六本木の事務所前で支持者らを前に、「長期政権では権力の腐敗が起きる。このまま見過ごしてはいけないと立ち上がる決意をした」と述べ、武井さんの多選を批判した。
 仕事と子育ての両立が難しい日本の現状に危機感を抱き、13年前に新聞記者から区議に立候補。3期連続トップ当選を果たした。「区民とともに待機児童ゼロを成し遂げ、重度障害のある子が通える保育園を開設させた」と区議時代の成果を強調した。
 住民の9割がマンション住まいだと指摘し、「町会や自治会任せでなくマンションごとの防災マニュアルを策定することが重要」と、防災対策にも力を注ぐことを約束した。(小沢慧一)

◆武井雅昭(たけい・まさあき)さん(71)無現<5> 自公
 今後も頼れる区役所を

武井雅昭さん

 区長(元)区区民生活部長・政策経営部人事課長▽早大
 午後1時、芝公園にある事務所近くの広場で、応援に駆けつけた自民、公明両党の議員や支援者らを前に、「今後も頼りになる区役所をつくっていく。ぜひ皆さんの力で6選目を」と支持を呼びかけた。
 5期目に直面した新型コロナウイルス対策について「今は活気が戻ってきたが、勢いを確かなものにするにはこれからが大事な時期。各界の団体や23区の連携の力で乗り越えたい」と決意表明。コロナ対策で築いた多方面への協力関係をアピールした。
 防災対策では、在宅避難対策を進めたことなどを強調。子育てについても「経済的サービスを提供し、誰もが希望する人数の子どもを育てられるようにしたい」と力を込めた。(小沢慧一)

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