大浦 瑞樹
基本情報
- 所属
- 無所属
- 学位
-
修士(2018年3月 東京大学大学院)
- 連絡先
- or.mizuki.1992
gmail.com
- J-GLOBAL ID
- 201901011089415389
- researchmap会員ID
- B000374685
駅発車メロディーや街頭時報等、公共空間に設置される音響メディアの社会史を研究しています。主な関心は①~④で、それらを統合する理論的貢献として⑤を研究しています。
① 街頭時報のメディア史
日本の中世以降、統治者や宗教権威者によって建造されてきた時報鐘から地域防災行政無線に至る街頭時報のメディア史を研究しています。主な経時的射程は明治初期から現代に絞り、汎階級的な担い手が理想視する市民社会を実現するためのメディアとして時報メディアを位置付けたプロセスを明らかにします。
② 街頭メディア史と防災政策史の架橋的研究
農事有線放送、農事有線放送電話、自治会有線放送、商店街街頭放送等中間団体による街頭メディアが、日本政府の防災政策によって中央政府と地方政府の影響下にある防災行政無線に統合されたプロセスに着目し、地域中間団体と行政によるメディアをとりまくポリティクスを明らかにします。また、①の成果をもとに、地理的ギャップを問わないグラスルーツのメディアの存在を明らかにし、これまでの日本メディア史研究が見逃してきたグラスルーツな音響メディア史の議論に貢献します。
③ 音楽専門家による公共空間デザイン概念の形成過程
上記①と②を支える音楽作曲者と発注者の関係を分析し、公共空間の音デザイン論が衛生学的論理を包摂した過程を明らかにします。レーモンド・マリー・シェーファーが『音の調律』で提唱した「サウンドスケープ」論に着目し、公共空間のおける音の編制者が行政や鉄道会社等の空間管理者に照準された過程を叙述します。
④ 騒音の行政史的研究
上記①と②と③は音の順機能に着目し、逆機能に言及できていません。そのため、音の逆機能と順機能を止揚する組織として「騒音」公害紛争で調停者としての行政団体が彫琢される過程に着目し、空間における音の編制者に行政団体が卓越した地位を獲得したプロセスを明らかにします。
⑤ 「音の空間編制」の形成と「統治のメディア」
①~④の研究結果を統合し、現代日本の公共空間に設置された音響メディアが「統治のメディア」の機能を獲得し、行政や中間団体による「音の空間編制」の成立過程を明らかにします。
以下、①~⑤を補足するため、
A 信号音を利用した時間教育の道徳教育史的研究
B 近代的定時制時刻制度の決定者としての天皇と軍隊教育
C 街頭サイレンと国体 奉祝空間における音と「森厳イデオロギー」批判
を研究しています。
学歴
3-
2015年4月 - 2018年3月
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2011年4月 - 2015年3月
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2008年4月 - 2011年3月
論文
3-
サウンドスケープ 21 27-35 2021年7月 招待有り
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日本サウンドスケープ協会秋期研究論文集 2019年12月
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東京大学大学院学際情報学府社会情報学コース 2018年3月 査読有り
講演・口頭発表等
3-
2022年度日本サウンドスケープ協会秋季発表会 2022年12月12日
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日本サウンドスケープ協会秋季研究発表会 2021年12月12日
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日本サウンドスケープ協会秋期研究発表会 2019年12月1日