ピッコロ「どういうことだ!孫!」
悟空「言った通りだ。オラ、フリーザの下で働くことにする」
クリリン「ど、どうしたんだよ!悟空!冗談でも面白くないぜ...」
悟空「悪い...オラ、本気なんだ...全て説明するから聞いてくれ...」
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悟空「冗談じゃねぇって...オラがそんな申し出受けると思うか?」
フリーザ「私はこれでもあなたを高く評価してるのですよ?決して悪いようにはしませんが」
悟空「オラが、おめぇみたいな悪人に力を貸すと思ったか?」
フリーザ「やはり誤解をなさってるみたいですね。私はあなたが思うような悪人ではありませんよ」
悟空「何言ってるんだ?おめぇは、他の星の住民を殺してその星を売買する悪人だろ。ラディッツやベジータ、それに界王様だってそう言ってたぞ!」
フリーザ「仕方がありません。1つ誤解を解いていきましょう。まず私が本当にそんなことをしていたらあなたのいう界王という方が何かしら手を打つのではありませんか?」
悟空「え?」
フリーザ「僕もパパから界王の話は聞いたことがあります。噂では、さらにその上の界王神という存在がいるらしいですが、彼らは僕を一撃で倒す力があると聞きました。なのになぜ彼らは私を倒しに来ないんですか?」
悟空(確かに...あの世にはオラの想像がつかなかったやつがいた。閻魔のおっちゃんや界王様を上回るやつがいてもおかしいねぇ...なのになんでそいつらはフリーザを倒しにこないんだ...)
フリーザ「次に、住民を殺して星を奪う悪の帝王なんて噂もありますが、それは全部ベジータが勝手に流した噂です」
悟空「え?」
フリーザ「ベジータは私の地位を狙ってるのです。そのためにありもしない噂を流すのですよ。おそらく界王という方はそれを真に受けただけでしょう」
悟空「でもおめぇはナメック星のドラゴンボールを狙いにナメック星人を殺してるじゃねぇか!これはどう説明すんだ!」
フリーザ「話が長くなりますが、一つずつ説明していきましょう。まず私たちは星の再生と復興を行っているのです」
悟空「どういうことだ?」
フリーザ「例えば、ある独裁者が支配している星があります。その星では住民が死ぬまで労働をし、独裁者を養うというえげつない行為を起こしています。しかし、住民は独裁者の武力に逆らうことができません。そういう独裁者を倒し、星を改正させるのが私たちの仕事です」
悟空「だけど、ナメック星にそんな様子はねぇ!平和な星だって界王様が言ってたぞ!」
フリーザ「確かに。本来ならこの星に手出しはしません。しかしこの星にはドラゴンボールという願いをかなえるものがあります。それが今回の問題点なのですよ」
悟空「ドラゴンボールに何の問題があるっていうんだ!」
フリーザ「ドラゴンボールはあらゆる願い事をかなえると言われています。そんなものが悪用された場合、この星だけでなく宇宙全体に多大な悪影響を起こす可能性あります。私たち一族は何度もドラゴンボールの作成を止めるようにナメック星人を説得しました。しかし頑固にもそれを受け入れなかったのです」
悟空「だから殺したのか...?」
フリーザ「...ナメック星人にドラゴンボールを護る力があるかどうかの確認でもあったのです。だからあえて私は不老不死になりたいと騙り彼らに接触しました。中には保身のためにドラゴンボールを渡すナメック星人もいました。それが許せなかったのです...。彼らは宇宙のバランスより自分のエゴを優先にしたのですから」
悟空(確かに、オラの星にもドラゴンボールを悪用するやつがいた。幸いにも大事にならずにすんでいるが、それは運がよかっただけだ...)
フリーザ「仮に子供だけを残しても彼らはドラゴンボールを作り、私に復讐をするでしょう。だから絶滅させるほかなかったのです。本当に不老不死を目的にしてるなら、全員生け捕りにして子供を人質に願いを叶えさせたほうが得策です」
悟空「だ、だけど、星を売ってるとかそんなことが許されるわけがねぇ!」
フリーザ「星の救済の中には、天変地異の類で星が滅ぶパターンもあります。その場合は、住民全てを私の星で生活を保障させますが、中には自分達の力で開拓したい住民もいます。その方々のために星を彼らに売っているのです。このナメック星も恐らくそのような星になるでしょう」
悟空「じ、じゃあ、なんでサイヤ人を滅ぼしたんだ!」
フリーザ「彼らは私への反逆を企てていたのです。ベジータのように私の地位を狙うものが徒党を組んで攻めこもうとした矢先だったのです。もしそんな戦闘が起きれば、被害と損害は計り知れません。それに私が倒されてサイヤ人が地位を奪っても私の後任ができると思っていません。下手をしたら部下全員が路頭に迷いその家族も含めて最悪な未来を辿ることになります」
悟空「...」
フリーザ「ベジータさんには『悪いことを考えたものには天罰が下る』そういう形で隕石が衝突したと伝えました。これを機に会心してくれるという意味も込めたのですが、...彼の心には届かなかったようです」
悟空「じゃあ...なんでオラを殺さず雇おうとするんだ...」
フリーザ「あそこに見えるのはあなたの子供でしょう?そこから察するにあなたは妻子持ちです。サイヤ人は戦闘以外に関してはあまり順応性がありません。もしかしたらあなたが苦労してるのかと思い、試しに話を持ちかけたのです」
悟空「おめぇ...オラに何をさせるつもりなんだ...」
フリーザ「あなたには先ほど話した惑星の再生と復興を行ってもらいたいのです。宇宙は広いのです。人手は多いほうがいいですし、あなたも修行ができて悪い話ではないと思いますが」
悟空「少し考えさせてくれねぇか...」
フリーザ「どうぞ、よい返答お待ちしています」
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悟空「...ということなんだ」
ピッコロ「貴様、そんな話信じるのか?」
悟空「オラも最初は作り話と思ってた...でも冷静に考えると理屈も通ってるし嘘じゃねぇと思う」
クリリン「だけど、俺たちはどうするんだ!助かるのは悟空だけじゃないか!?」
悟空「いや、フリーザがこの戦いをやめてくれれば、オラ達を地球に送り届けるらしい。ただ地球のドラゴンボールはフリーザが管理することとピッコロにドラゴンボールを二度と作らせないと約束させることを条件にだ」
悟飯「それだと、地球で死んだみんなを生き返らせませんよ!それでいいんですか!お父さん!」
悟空「悟飯聞いてくれ。命はそんな軽いもんじゃねぇんだ...。オラもフリーザに言われたことだがドラゴンボールのせいで命の重さを軽んじてたと思う。人は死んだら生き返らないのが普通なんだ...」
悟飯「お父さん...」
悟空「でも、フリーザのやつは自分の部下が勝手にしでかした失態を保障するらしい。ベジータ達が壊した建物や家族に精一杯償いをするって約束したんだ...」
ピッコロ「見損なったぞ!孫悟空!ここまで腑抜けになるとはな!」
悟空「...じゃあ、おめぇ家族をもったことあんのか?」
ピッコロ「なに?」
悟空「結婚して子供を産んで家族を守るってのは簡単じゃねぇんだ!おめぇみたいに水だけ飲んでれば生きられるわけでもねぇんだぞ!!」
クリリン「ご、悟空落ち着けって!」
悟空「オラ、結婚して悟飯が生まれて幸せになれると思ったんだ...だが、実際は違う。チチからは毎日働け働けと言われ、オラは修行する時間を惜しんで就活に勤しんだ。今だからわかるんだが、オラは地球じゃ無戸籍扱いでどこも雇ってくれなかった...」
ピッコロ「...」
悟空「オラの兄ちゃん、ラディッツが来るまでオラは毎日修行もせず就活に失敗してばっかで家じゃチチと喧嘩しまくってた...悟飯に気付かれないように毎日作り笑いでごまかしてたんだ...」
悟飯「...」
悟空「ベジータが去って、病院でチチが言ってたこと覚えてるか?」
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チチ「悟飯!おめぇはピッコロのことなんでどうでもいい!おめぇは子供らしく勉強するだ!!じゃないと悟空さみたいに将来ロクな大人にならねぇぞ!!」
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悟空「オラ、あの時消えてぇと思った。死にたいじゃねぇ、消えてぇだ」
クリリン「悟空...」
悟空「この戦いに勝ってもオラには何もねぇんだ...下手したらフリーザの部下の家族まで巻き込むことになる。オラそんなの耐えらんねぇ...」
悟空「もしかしたら、ここがオラの人生の分岐点かもしれねぇんだ...フリーザはオラに仕事もくれる。修行も戦いもさせてくれる。オラの悩みを全て理解してくれてるんだ...」
悟空「頼む...この戦いから手を引いてくれ...」
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悟空「今けぇったぞ!チチ!悟飯!」
チチ「おかえり!悟空さ!」
悟飯「お父さんおかえり!」
ハイヤードラゴン「カーッ」
チチ「いやー悟空さんが働いてよかっただよ!おらずっと心配してたんだからな!」
悟空「ははっ、それより腹減ったぞチチ~」
チチ「悟空さが久しぶりに帰ってきたし、今日は気合いれるべ!」
お父さんはあの日、フリーザの部下になることを決めた。
それが正しかったかどうかは僕にはわからないけど、家族に笑顔が戻ってきたのだから間違いじゃないと思う。
それにお父さんの給料が予想より多いおかげで、お母さんにハイヤードラゴンと住むことも許された。
地球のドラゴンボールは四龍星はお父さん、残る6つをフリーザとピッコロさんで分け合い管理することになった。
チチ「仕事もいいけど、体には注意するだよ。悟空さ」
悟空「あぁ、実は帰ってくる前にフリーザに惑星ピタルっていう星に行けって言われてな、オラ注射嫌いだからあまり行きたくなかったんだけど変な病気を家族にうつすと困るっていうから行ってきたんだ。するとオラの心臓にやべぇ病気があったらしくて大慌てしちまった」
悟飯「お父さん!それ大丈夫なんですか!?」
悟空「でぇじょうぶだ!惑星ピタルはすげぇぞ、地球の病院よりも早く直してもらえるし、フリーザが知ってる医療惑星で随一だっていうからな。オラたまげちまった」
チチ「悟空さが死なれたら、おらや悟飯ちゃんも困るだ!大事に至らなくてよかっただよ!」
悟飯「そういえばお父さん、いつまで地球にいるんですか?」
悟空「あぁ、実はフリーザにドクターゲロがやべぇ人造人間作ってるから完成前に倒しにいくのと魔人ブウっていうやつの封印された玉っころを回収してこいって言われてんだ。でも療養もかねて1ヵ月は地球にいることができるんだ」
チチ「じゃあ、久しぶりに家族旅行でもいくべ!」
悟飯「お母さん!ハイヤードラゴンも連れて行っていい?」
チチ「もちろんだべ!」
ハイヤードラゴン「カーッ、カーッ」
悟空「ははっ、ハイヤードラゴンも嬉しいってさ!よかったな悟飯」
終わり