<阪神1-2巨人>◇26日◇甲子園
巨人バッテリーは阪神森下に打たれた1球が悔やまれる。
7回1死走者なし、2ボールからの3球目だった。外の真っすぐ149キロを右中間へ運ばれ、二塁打にされた。続く大山の左前打、さらに渡辺の先制打は、得点圏に走者を抱えた状況で、いろいろと球種を使い抑えにいった結果。しょうがない。それよりも、森下への1球だ。打ち取るためには、スライダーでも良かったと思う。
菅野はそれまで1本もヒットを打たれていなかった。見ている人たちの頭には、2日前の戸郷に続くノーヒットノーランがちらついていたはず。そこで小林のキャッチャー心理を想像すると、打者有利のカウントでかわしにいって打たれるより、真っすぐで勝負と思ったのではないか。それまでの2打席は、いずれも真っすぐで抑えていた。しっかり投げ切れば、ファウルか、ライトフライに打ち取れると考えのだろう。スライダーを引っかけて、左前に落とされるのを嫌ったのかもしれない。
確かに、この日の菅野はアウトローの真っすぐに力があった。私は初回、先頭近本への初球真っすぐを見て、ここ数年で一番いいと感じたほどだ。フォームのバランスが良く、リリースポイントが安定していた。2ボールから真っすぐを選んだこと自体、間違いではない。だが、森下が上回った。選択の背景にはノーヒットが続いていたこともあるが、それ以上に巨人の得点が0だったことが大きいだろう。スライダーを見送られて3ボールとなり、そのまま四球にしたくない心理も働いたのではないか。
もし2点差があれば、スライダーの可能性はあったと思う。両リーグ最少のチーム得点が示すように、巨人が勝ちを重ねるには、もっと点を取る必要がある。9回に岡本和が同点ソロを打ち、菅野の負けが消えた。やはり、岡本和にかかっている。だが、6回2死一、二塁では右飛。5月の得点圏打率は16打数1安打の6分3厘と苦しむ。
28日からの交流戦に向けて、ホームランをいいきっかけにしたい。もっとも、1人だけに背負わせるのは負担が大きい。交流戦から合流する新外国人ヘルナンデスを筆頭に、打線の起爆剤となる選手が待たれる。戸郷、菅野、山崎伊と先発3枚はしっかりしているだけに、打線次第で上昇する気配は十分ある。(日刊スポーツ評論家)