携帯・2
「じゃあ、ワシとも交換してくれるか?」
「いいんですか!?///」
「おう」
「ぜひお願いします!///」
「なに、その反応の違いは(苦笑)」
「妬くな入江。日頃の行いの差だ(笑)」
「まあね。…あ、やっぱりその携帯なんだ。ま、鬼なら当然かな」
跡部が操作しているのは、入江の時と同じ青い携帯の方だった。
「赤外線通信なんぞ分からん。入江、代わりにやってくれ」
「いいよ。えっと…これで…と。入った?」
「…はい、確かに入りました」
鬼のアドレスが携帯に吸い込まれると、跡部は幸せそうに微笑った。
「ねえ、徳川は? 今持ってるなら徳川も交換したら?」
「………。」
当然そういう流れになるのは予想できた筈だが、徳川はすぐには返事をしなかった。
「あの…良かったら徳川さんとも交換させて頂きたいです。…ダメですか?;」
跡部からの申し出に、鬼も入江も「ほう?」という顔をした。
だが、徳川は何か悩んでいるようでなかなか返事をせず、少し間を置いてから、跡部の前に置かれた黄緑色の携帯を指差した。
「交換するのはいいが、こっちにしてくれ」
「え…」
徳川の真意は分からなかったが、跡部の携帯の使い分けを聞いた上での言葉だ。
交換をOKされたとはいえ、素直には喜べなかった。
「こっちじゃ…ダメなんですか?」
跡部は手にした青い携帯を差し出した。
「ああ」
変わらない返事にションボリとして、跡部は黄緑色の携帯を手にした。
(3に続く)
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