ミーム株急騰、空売りヘッジファンドの痛み軽度=銀行
ミーム株はオプションについての理解なくして手掛けるのは自殺行為。
5月は再度以前に話題になったミーム株(GMEやAMCなど)が上昇して市場を賑わせたが、既に祭りは終了して雰囲気としては下がり気味となっている。
【GME(ゲームストップ)の株価チャート】

Xではごくわずかであるが、一部で変なタイミングでミーム株に投機して損切りもできずに死んでいる人がいたりするのも発生してきている。
そういうのを見て、今回は自分なりにミーム株を手掛けるとすればどういった点に注意すべきかというのを、ミーム株はどのようにして急騰するのかという仕組みから考えて、どういった点を見て判断すべきなのかを書いていきたい。
ミーム株はなぜ上昇するのかというと、これは検索すればいくつか言及されている記事やYoutube動画などが見つかると思うが、基本はオプションを使ったことによるショートの踏み上げである。
ミーム株は業績が悪い上に将来の展望も薄いので、ショートでリターンを取ろうとするヘッジファンドなどがネイキッドショート(いわゆる裸売り)を大量にしているわけで、そいつらを強制追証に追い込んで強制買いをさせるためにコールオプションを大量に買うことによって実現させる急騰劇なのである。
なぜオプションを使うかと言うと、普通に株を買う形ではかなりのお金が必要な上に、上手くショート勢を追い込めなかった時に受けるダメージが大きい。
しかしコールオプションなら少ない元手で一気に実質的な買いポジションを構築でき、上手くいかなかった時の損失も限定でき、コールオプションを買えば業者が勝手にアービトラージのために生株買いをしてくれるので、ワンチャン上手くいけば少ない元手で一攫千金が狙える手法である。
これが2020年以降、ロビンフッダーをはじめ、米国で個人が気軽にオプション売買ができることによって頻発しているミーム株急騰劇の仕組みである。
つまりミーム株で上手くライドするためにはオプションのフロー特性を理解していないといけない。
一般的にオプションはインプライドボラティリティ(IV)が低い時に買われ、インプライドボラティリティが高い時に売られるものである。
これはオプション自体がIVの上下に比例する形で価格が上下するので、IVが低い時に売った後にIVが高くなってオプション価格が上昇したら破滅だし、IVが高い時に買った後にIVが低くなると同じように破滅したりするのである。
なので、ミーム株を買うかどうかというのを判断するのは、コールオプションが安い時でなければいけないのでIVが低い時に買わなければいけない。
これは言うは易し行うは難しで、単にIVが低いというだけで買い向かうと、実は誰もエントリーしていないだけで、その後死ぬほど株価が下がったりする。
そういった意味では、実際エントリーするとすれば、IVが上昇する一発目で買い参戦しなければいけない。
そして問題は売り時である。
売り時はその逆で2回目~3回目にIVが急上昇した時に売るのである。
コールオプションを買う側もそもそも業績の悪いミーム株が長期戦に向いていることは百も承知なので、大量コールオプション買いで勝負するとしても2~3回が限度である。
これがコールオプション買いでショート側を追い込む勝負を仕掛ける側の事情だ。
逆に既にミーム株のポジションを保有している人はコールオプションの売りを考え始める。
IVが過去と比べ物にならないぐらい上昇しているわけで、オプションが非常に割高になるので、単に持っている株を売るよりコールオプションを売った方がプレミアムが得られて二度おいしいという展開になるのである。
なので、IVが上昇すればするほどコールオプション買う側は不利になるし、コールオプションを売る側は有利になるため、徐々に天井感が出てくる。
このようにして、ミーム株ド天井というのは総じてIVが馬鹿高くて株価が急騰しているところになる。
なので、IVを見ずに米国ミーム株を手掛けるというのは自殺行為もいいところである。
特に直近高騰した皆が大好きなGME株が高騰後にIVが下がり始めているのを見逃してしまい、株価が下がったところで押し目だとか意味不明なことを言って買った挙句、数日でマイナス50%みたいな食らい方をしている人がXでは見かけられるようになっている。
なのでミーム株を手掛けるにはオプションに対する理解がないと勝負にならないわけで、オプションについて基本的なところを理解するには下記書籍らへんを読んで勉強するべきだろうと思う。
【参考書籍】
最新版 オプション売買入門
実務家のためのオプション取引入門
日々金融市場で思ったことや金融データをつぶやいている村越誠のツイッターはこちらのリンクをクリック
ミーム株はオプションについての理解なくして手掛けるのは自殺行為。
5月は再度以前に話題になったミーム株(GMEやAMCなど)が上昇して市場を賑わせたが、既に祭りは終了して雰囲気としては下がり気味となっている。
【GME(ゲームストップ)の株価チャート】
Xではごくわずかであるが、一部で変なタイミングでミーム株に投機して損切りもできずに死んでいる人がいたりするのも発生してきている。
そういうのを見て、今回は自分なりにミーム株を手掛けるとすればどういった点に注意すべきかというのを、ミーム株はどのようにして急騰するのかという仕組みから考えて、どういった点を見て判断すべきなのかを書いていきたい。
ミーム株はなぜ上昇するのかというと、これは検索すればいくつか言及されている記事やYoutube動画などが見つかると思うが、基本はオプションを使ったことによるショートの踏み上げである。
ミーム株は業績が悪い上に将来の展望も薄いので、ショートでリターンを取ろうとするヘッジファンドなどがネイキッドショート(いわゆる裸売り)を大量にしているわけで、そいつらを強制追証に追い込んで強制買いをさせるためにコールオプションを大量に買うことによって実現させる急騰劇なのである。
なぜオプションを使うかと言うと、普通に株を買う形ではかなりのお金が必要な上に、上手くショート勢を追い込めなかった時に受けるダメージが大きい。
しかしコールオプションなら少ない元手で一気に実質的な買いポジションを構築でき、上手くいかなかった時の損失も限定でき、コールオプションを買えば業者が勝手にアービトラージのために生株買いをしてくれるので、ワンチャン上手くいけば少ない元手で一攫千金が狙える手法である。
これが2020年以降、ロビンフッダーをはじめ、米国で個人が気軽にオプション売買ができることによって頻発しているミーム株急騰劇の仕組みである。
つまりミーム株で上手くライドするためにはオプションのフロー特性を理解していないといけない。
一般的にオプションはインプライドボラティリティ(IV)が低い時に買われ、インプライドボラティリティが高い時に売られるものである。
これはオプション自体がIVの上下に比例する形で価格が上下するので、IVが低い時に売った後にIVが高くなってオプション価格が上昇したら破滅だし、IVが高い時に買った後にIVが低くなると同じように破滅したりするのである。
なので、ミーム株を買うかどうかというのを判断するのは、コールオプションが安い時でなければいけないのでIVが低い時に買わなければいけない。
これは言うは易し行うは難しで、単にIVが低いというだけで買い向かうと、実は誰もエントリーしていないだけで、その後死ぬほど株価が下がったりする。
そういった意味では、実際エントリーするとすれば、IVが上昇する一発目で買い参戦しなければいけない。
そして問題は売り時である。
売り時はその逆で2回目~3回目にIVが急上昇した時に売るのである。
コールオプションを買う側もそもそも業績の悪いミーム株が長期戦に向いていることは百も承知なので、大量コールオプション買いで勝負するとしても2~3回が限度である。
これがコールオプション買いでショート側を追い込む勝負を仕掛ける側の事情だ。
逆に既にミーム株のポジションを保有している人はコールオプションの売りを考え始める。
IVが過去と比べ物にならないぐらい上昇しているわけで、オプションが非常に割高になるので、単に持っている株を売るよりコールオプションを売った方がプレミアムが得られて二度おいしいという展開になるのである。
なので、IVが上昇すればするほどコールオプション買う側は不利になるし、コールオプションを売る側は有利になるため、徐々に天井感が出てくる。
このようにして、ミーム株ド天井というのは総じてIVが馬鹿高くて株価が急騰しているところになる。
なので、IVを見ずに米国ミーム株を手掛けるというのは自殺行為もいいところである。
特に直近高騰した皆が大好きなGME株が高騰後にIVが下がり始めているのを見逃してしまい、株価が下がったところで押し目だとか意味不明なことを言って買った挙句、数日でマイナス50%みたいな食らい方をしている人がXでは見かけられるようになっている。
なのでミーム株を手掛けるにはオプションに対する理解がないと勝負にならないわけで、オプションについて基本的なところを理解するには下記書籍らへんを読んで勉強するべきだろうと思う。
【参考書籍】
最新版 オプション売買入門
実務家のためのオプション取引入門
日々金融市場で思ったことや金融データをつぶやいている村越誠のツイッターはこちらのリンクをクリック