近畿大学病院(大阪府大阪狭山市)は5月13日、産婦人科を受診した患者2003人分の氏名や診察情報などの個人情報が漏えいした可能性があると発表した。非常勤医師だった40代男性が無断で私物PCに保存し、ウイルス感染を装う「サポート詐欺」の被害に遭ったという。
同病院によると、男性医師が2月末、大阪府内の別のクリニックで当直勤務中、私物のPCで芸能ニュースを閲覧していたところ「ウイルス感染」を示す警告メッセージが表示された。指示に従って操作しているうちにPCが遠隔操作され、ウイルス除去の名目でプリペイドカードを購入させられるサポート詐欺の被害を受けた。この間、PC内のデータは、詐欺犯側が入手可能な状態だった。現時点では個人情報の悪用は確認されていない、としている。
男性医師は患者情報の一部を利用する研究の承認を大学側から受けていたが、氏名などの持ち出しは許可されていなかった。同病院は男性医師が内規に違反して情報を持ち出し、保存方法が不適切だったとして、3月末で非常勤の契約を打ち切った。
この問題について、近大は患者側からの相談を受け付けるコールセンター(0120.700150、午前10時~午後7時)を開設、6月12日まで毎日対応する。
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