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【特集】中野市4人殺害事件から1年 青木政憲 被告の今...「自分は我慢の限界だからやがて起こっていただろう」人の笑顔の「ニコニコ」と「ニヤニヤ」の区別つかず

2024年5月23日 20:36
【特集】中野市4人殺害事件から1年  青木政憲 被告の今...「自分は我慢の限界だからやがて起こっていただろう」人の笑顔の「ニコニコ」と「ニヤニヤ」の区別つかず

特集です。中野市で警察官を含む男女4人が殺害された事件から25日で1年。

殺人などの罪に問われている青木政憲 被告と接見を続ける担当弁護士が23日、テレビ信州の取材に応じました。

青木被告は今…。

北沢ななか記者
「中野市江部の事件現場です。まもなく発生から1年を迎えますが、こちらの建物には今も銃弾の痕が残っています」

近くに住む女性2人と駆け付けた警察官2人のあわせて4人が殺害された事件。

■中野市4人殺害事件 2023年5月25日
1年前の5月25日、夕暮れ時ののどかな風景広がる場所が騒然となりました。

警察官
「銃器持っているんで死んじゃうんで」

「なんか人がいるっぽいな」
「いま人影が見えた」

猟銃を持った青木政憲被告が自宅に籠城。

この「およそ1時間半後」。

『発砲音』

その後、再び発砲音が。

「パン!」
「あ、パン!って鳴った。今、パン!って鳴りました」

現場は膠着状態が続きました。

事態が動いたのは翌朝でした。

「午前4時40分すぎです。男が確保されたとの第一報が入ってきました」

青木被告の籠城は12時間にわたって続き、逮捕後、その凄惨な犯行が明らかになりました。

起訴状などによりますと事件当日の午後4時すぎ、青木被告は近くに住む竹内靖子さんと村上幸枝さんをナイフで殺害。

目撃者
「助けて 誰か助けて」と女の人が一人で血相を変えて走って「助けて助けて」って。後ろから迷彩服の男が走ってくるから」

日課だった散歩中に襲われたとみられる2人。

「ぼっちだとばかにされていると思った」

独りぼっちを意味する"ぼっち"。

女性2人を襲った動機について、青木被告は、警察の取り調べに対し、このように供述。一方的に恨みを募らせたことによる犯行とみられています。

さらに、通報を受けて、中野警察署の池内卓夫さんと玉井良樹さんが現場に駆け付けると…。

目撃者
「パンと1回銃声音が聞こえてそれから3秒か4秒だな。またもう一度バンと」

青木被告は猟銃を発砲。警察官2人も犠牲になりました。

警察官を狙った動機は。

「目撃者がいて通報されるため、警察官が来るだろう。警察官が来たら撃たれるかもしれないと思った」

■逮捕から、2か月半後。

長野地方検察庁は青木被告の刑事責任能力を調べるため、鑑定留置を実施。

3か月後の去年11月、精神鑑定の結果を踏まえ、「刑事責任能力を問える」として殺人などの罪で起訴しました。

北沢ななか記者
「週1回の接見を続ける担当弁護士によりますと、青木被告は今、私の後ろにある建物の中にいるということです。普段は本を読んで過ごしていて、他愛もない会話には応じますが、事件について話すことはないということです」

また、担当弁護士が事件から1年が経つのを前に気持ちの変化を聞くと…。

「特に何もない」

さらに、事件を起こさなかったらどうだったのか、尋ねると…。

「自分は我慢の限界だからやがて起こっていただろう」

こう答えたといいます。

また、これまでのやり取りの中で、青木被告は、人の笑顔の「ニコニコ」と「ニヤニヤ」の区別がついていないとして、弁護側の精神鑑定に向け、準備を進めています。

長野地方裁判所によりますと、裁判の争点を話し合う「公判前整理手続き」の日程はまだ決まっていません。

■1年後の今
事件からまもなく1年。現場の近くには白い石像が…。

近所の人によりますと、ここ最近、置かれたものです。

住民は
「1年は短かったね」
「変化は…まあみんな気は重たくなってんじゃねえ?別にまだ何も解決したわけじゃないし」

殺害された村上さんが通っていた美容室のオーナー鈴木政行さんは…。

鈴木さん
「特に今回一年経ってお互いの悲しさっていうのはすごく日に日に強くなってきたと思うんですね。やっぱりみんな身近な人だからなおさら、うん。特に悲しいなっていうのは」

この事件をきっかけに、自分には何ができるのか問いかけたという鈴木さん。

事件の背景にあった孤独。

それをなくすために子どもたちの交流の場を作りたいといいます。

「自分たちがつかみ取れるような社会にしたいんですよね。子供たちの触れ合いっていうのはすごく大事だと思うんです。それが大人であり、年下でもあり、同い年の人でもあり。そのふれあい・つながり・助け合い・思いやりという部分は絶対的に必要になってくるのかなと思いますね」


この事件を受けて中野市では去年6月、犯罪被害者などを支援するための条例が前倒しで成立しました。県内の自治体では、2020年に埴科郡・坂城町が制定したのを皮切りに動きが加速しています。

長野犯罪被害者支援センターによりますと、こうした条例は、今年4月1日の時点で、県内77市町村のうち「55市町村」で制定済みです。

残る自治体は、今年度中の制定を目指しているということです。

犯罪被害者に寄り添ったものになるといいのですが、そもそも、犯罪が起きない社会をどう作っていくかを考え続ける必要があります。

24日は、犯行に使われたハーフライフル銃が規制の方向に。事件が社会に与えた影響を考えます。

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