奪われた「生きがい」
「聞く所によると、あるIT企業に政治家や警察のOBの天下りが沢山おり、それらの人脈からFC2に攻撃を仕掛けてきているとのことです。その企業と繋がりのある友人に一方的な白旗で和解を申し込むようお願いしましたが、聞き入れてもらうことは出来ませんでした。
私自身は、いわれのない罪をなすりつけられたと思っています。米国で法人登記をしていますし、捜査当時の代表は私ではなく別のアメリカ人でした。それでも罪に問われるのであれば、星の数ほどある無数のサイトが同様に検挙されなければならないと思います。
日本の司法制度のおかしさには憤慨しますが、敏腕弁護士を付けても日本の刑事裁判は99.9%有罪になると言われています。『国策捜査』を行われてしまえば、もうどうしようもないと実感しております。あの日から、何もかもやる気を失ってしまいました」(高橋氏)
FC2の関連会社の元社長だった高橋氏の弟・人文氏も罪を問われ、最高裁まで争った末に有罪判決を下されている。高橋氏自身は弁護士を使って疑いをはらし、国際海空港手配を解除しようとしているが、何の成果も得られていない。
「そもそもFC2を創業したのは、『生活費を稼ぐため』でした。初期はドメイン販売とホスティング事業がメインでした。ただ資本が少なく広告費を払う余裕がなかったので、プロモーション目的で動画やブログなどの無料サービスを開始しました
初期から手応えがあったので、巨大なプラットフォームになりそうだと、漠然と思っていましたね。実際、アダルトコンテンツの投稿を許可したことが大きく、ユーザーは爆発的に増えました。黙々とサービスを作り、どうやったら利益が出るかを考え続ける。やりがいに満ち溢れた時間でした」(高橋氏)