中国軍が台湾周辺で軍事演習、与那国島の漁協は警戒と不安…石垣市長「エスカレートしなければいいが」
中国軍が台湾周辺で合同軍事演習を開始した23日、台湾に近い沖縄県・先島諸島の関係者からは不安の声が上がった。 【地図】中国軍の軍事演習区域
台湾から約110キロと最も近い日本最西端の与那国島(与那国町)では報道を受け、町漁協が漁に出ていた漁業者を含む全組合員に警戒を呼びかけた。演習が続く見通しの24日は、状況次第で出漁を取りやめる措置を取るという。
2022年8月に行われた中国軍の演習では、弾道ミサイルが島南方の日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下し、出漁自粛に追い込まれた。嵩西茂則組合長は17日に島の視察に訪れたラーム・エマニュエル駐日米大使に台湾有事への懸念を伝えたばかり。「ミサイルは命や仕事に関わり、組合員は不安がっている。被害が出ないよう、日本政府にも万全の対応をお願いしたい」と話した。
また、石垣市の中山義隆市長は23日の定例記者会見で、「これだけ近くで演習をされると不安感がある。今後、(中国軍が)エスカレートしなければいいが、影響が出ないかと懸念している」と述べた。