宿題・9
「んじゃ、俺らこれで」
「失礼します、コーチ。じゃな、跡部」
「はい、ありがとうございました」
高校生達の部屋は階が違うので先に別れた。
跡部はコーチ達と4人だけになると、気になっていた事を訊いた。
「あの…明日は行ってもいいんでしょうか?;」
「え?」
「バーの…いつもの席に;」
結局、自力では殆ど解けなかった宿題。
跡部は「ダメだ」と言われるのも覚悟していた。
だが…。
「どうぞ。いつものように、やる事を全て済ませたら来ても結構です」
「ボクも別に構いませんよ。あとは…」
「…柘植コーチ;」
三対の瞳が柘植を見た。
「…しょうがねえな;」
柘植は少し不本意気にだが、許してやった。
「よかったですねぇ」
「はい。ありがとうございます」
「だがな、高校入る前にもうちっとレベルアップしろよ? そのまんまじゃお前、下手したらイジメに遭うぞ」
「イジメ…?」
氷帝で好き勝手やっている跡部には思いもよらない言葉だった。
「いつまでもガキのままじゃ通んねえんだよ。たまには女にも目ェ向けろ」
「…はい」
「まあ今日は早く部屋に戻って寝なさい。明日も早いですから」
「はい。おやすみなさい」
宿題騒ぎも無事に(?)収まり、跡部は明日の風呂上がりも美味しいジュースを飲めそうだった。
***
そして、コーチ陣はもう一度バーで飲み直し、例の宿題のプリントに書かれた跡部の回答を見た。
そして1人は溜息を吐き、1人は大笑いし、1人は思わず追試プリントの作成を考えた。
ちなみに、このせいで悪酔いした柘植の翌朝の機嫌は最悪で、練習はいつもよりかなりハードになったという…。
(おわり)
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