宿題・4
その時、
「あれー、この部屋電気つけっぱじゃん」
「消しといてやろうぜ。このままでもし見つかったら、明日の朝、コーチの雷落ちるぜ;」
ガラッ!
「「あ。」」
扉を開けた方、開けられた方が同時に声をあげた。
「あれっ、何だよ。跡部じゃんかよ」
「お前、こんなとこで1人で何やってんだよ?」
「宿題です。ちょっと、部屋ではできなくて…」
鬼の教育の成果で、跡部は下位コートのメンバーであっても高校生には敬語を使うようになった。
「宿題?」
「さっき、柘植コーチに明後日まで…って出されたんですが、全然できないんです…;」
「何だよ、お前実はアホなんか?; 数学か国語か?」
「いや、そういうのは得意なんですが…これはちょっと;」
「あー? なんだよ、ちょっと見せてみろよ」
高校生2人はプリントを覗き込んだ。
「ぶはっ!なんだよ、これ!(笑)」
「スゲー!『フェ○チオとは何かを説明せよ』だってよ~!(笑)」
高校生達は腹を抱えて笑い出した。
「そっか。まあお前には分かんねーよなー(笑)」
「ていうか、こんな宿題なら俺がやりてえよ(笑)」
「あ。」
跡部は利害関係の一致に気づいた。
「あの…じゃあ、5分でいいんで、ちょっと教えて貰えませんか?; こんな事、仲間には聞けなくて…////」
高校生達は二つ返事で快諾した。
(5に続く)
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