宿題・3
さて、その頃の跡部はといえば、子供扱いどころか赤ん坊扱いまでされて怒って飛び出したはいいが、部屋に戻ってもその宿題はできなかった。
あまりにも特殊な宿題なので、同室の忍足に見られたくなかったのだ。
仕方なく筆記用具だけ掴んで再び部屋を出、空いているミーティングルームに潜り込んだ。
しかし、そうしてみても約100問にも渡る問題の大半が自分では解けず、どうしたものか悩んでいた。
『自力でやってみて分からない分は、人に聞いてでも全部解け』と言われたのでそうするべきなのだろうが、いったい誰に聞けばいいやら…。
とりあえず同じ中学生には聞きたくない。あまりにも知識が乏しい事を同級生や下級生に笑われるのは嫌だった。
できれば鬼に聞きたいところだったが、鬼の部屋には入江がいる。入江に訳を話したらからかわれるのが目に見えている。
じゃあ、徳川に…とも思ったが、徳川は大和と同室という噂を聞いたことがある。それで大和から手塚に知れるという事態も避けたいところだ。
…というわけで、さっきから彼は1人でずっと悩んでいた。
だが、消灯の22時まであと15分。明後日まで…と言われたからにはムダにする時間はない。
跡部は基本的に真面目だ。出された宿題は期日までに提出して当然…という考えをしっかりと持っている。
「こんな問題やってられっかよ!」と投げ出すという選択肢もあったのだが、彼にはできなかった。
(4に続く)
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