保護欲・6
「徳川さん、訊いてもいいですか?」
礼を言って受け取ってから、跡部は徳川を見上げた。
「なんだ」
「どうしてそんなに親切にしてくれるんですか?」
徳川の動きが止まった。
「嬉しいのは嬉しいんですが、何でなのか不思議で…。俺はあなた方から見たら合宿に割り込んだ中学生の1人で…邪魔に思うのが普通でしょう?」
徳川は困ったように眉を寄せ、辺りに誰もいない事を確認してから、ボソッと呟いた。
「お前は…しっかりしているようで妙に頼り無げな所があるから…放っておけない」
「え…?」
「それだけだ」
それ以上は何も言わず、新しく用意したバスタオルで濡れたままの髪をそっと拭いてやる。
そこへ入江と鬼がやってきた。
入江「やあ、僕らだけゆっくりしてきちゃってゴメンね。どう?止まった?」
跡部「ええ、だいたい」
入江「あれ、何やってんの、徳川。ずいぶん親切じゃない」
徳川「別に。このうえ風邪でも引かれたら面倒なんで」
入江「ぷっ…!」
入江は思わず吹き出した。
徳川「…何か?」
入江「徳川、日本語間違ってるよ。あのね、そういう時は『面倒』じゃなくて『心配』って言うんだよ?(笑)」
徳川「………。」
鬼「ああ、そうか。確かにそうだな(笑)」
徳川の代わりに鬼が肯定し、ワハハ…と笑った。
(7に続く)
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