保護欲・4
(大浴場)
入江「へえ、ホントに色白いんだね」
跡部「だから!見ないでくださいって!///」
鬼「入江、約束したろうが。うるせえから離れとけや;」
入江「はいはい。あれ、徳川は?」
跡部「向こうの方に行かれましたよ。ちゃんと約束を守ってくれてるんじゃないですか?どなたかと違って」
入江「誰のこと?鬼?(笑)」
鬼「お前だ;」
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体を洗い終わって、広い浴槽に浸かると、跡部はやっとゆっくりした気分になれた。
ハードな練習の後であんな騒ぎがあっては、寛ぐどころではなかった。
跡部「でもまぁ…意外と面倒見のいい人達だよな…」
奇数コートリーダー3人の事を跡部は思った。
パッと見が優しげな入江はともかく、いかつくて乱暴そうに見える鬼、クールで冷たそうな徳川など、外見の印象からはとても面倒を見てくれるようには見えないが、3人とも結構親切にしてくれる。
毎日の食事のうち、最低でも一食は共にしているし、今ではかなり親しくしているのだ。
跡部「…ぁ」
その時、跡部は鼻の奥に違和感を覚えた。
ツッ…と何かが流れる感覚があり、お湯にポチャンと赤い液が滴った。
跡部「やべ…!;」
慌ててザバザバとお湯から上がる。
徳川「どうした」
跡部「はい、また鼻血が…;」
言う側から床に鼻血が滴り落ちる。
徳川「脱衣所へ行け。涼しい所の方がいい」
跡部「はい;」
ポタポタと滴る鼻血で、洗った体に血が付いたが構ってはいられない。
跡部は急いで浴室を出ていった。
(5に続く)
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