整備・管理運営手法はDB・Park-PFI・指定管理をミックス
2020年3月、作業部会を中心に、これまでの経緯を踏まえたうえでサッカースタジアム建設に加え、中央公園広場全体の整備方針の基本的な条件を定めた「中央公園サッカースタジアム(仮称)基本計画」を策定した。この基本計画において「みんなが集まる“わくわく”スタジアムパーク」を中央公園広場の目指す姿(ビジョン)として設定。広島の新たなシンボルとなるサッカースタジアムとスタジアムに隣接する広場エリアが一体となり、年間を通じて多くの人が訪れるにぎわいの拠点となることなどを目指し、整備することとした。
具体的な整備手法としては、サッカースタジアムの建設や広場エリアの基盤整備などをDB(デザインビルド)方式で、広場エリアのにぎわい施設整備などをPark-PFI(公募設置管理制度)で行うこととした。また、サッカースタジアム及び広場エリアの管理は、指定管理者制度を採用することを基本とした。
DB・Park-PFI・指定管理を組み合わせたことについて、広島市都市整備局スタジアム建設部課長補佐(事)主任の大形智哉氏は、「市が求めるスタジアムをできるだけ早く実現するために最も効率的と判断したため」と語る。別掲記事にあるように37万件の署名が提出されたのが2013年はじめ。建設地が決まった段階で、すでに6年が経過しており、サンフレッチェ広島のファンをはじめ新サッカースタジアムを期待している人々を長く待たせている状況だった。こういった人々に早く報いたいという思いを関係者は常に持ち続けていた。
こうした中、サッカースタジアムを含めた一連の大型事業をいかに最短で進めるかを考えたときに、設計と施工を分離して発注するのでは時間が掛かる。また、DBO方式になると実際のスタジアムがない中で運営まで含む仕様書を作成するのはハードルが高いと判断。DB方式の採用に至った。
また、Park-PFI方式を混在させたことは、工期面や民間の資金が活用できるという資金面にメリットがあることに加え、民間の知恵を得られるという点が大きかった。広島市においては、旧広島市民球場跡地に2023年3月末に開業した「HIROSHIMA GATE PARK(ひろしまゲートパーク)」も、Park-PFI方式により整備を行っている。「広島市としてPark-PFI方式はにぎわいを生むためには有効な制度という判断があった」(大形氏)。
2020年10月に、サッカースタジアム建設や広場エリアの基盤整備などをDB方式で行う「サッカースタジアム等整備事業」に係る事業者の公募を開始したところ、4グループの参加があった。この中から2021年3月に、設計・施工者として大成建設を代表とする共同企業体(JV)が選定された。選定審議会からは、「スタジアムとしての機能の完成度が高く、ノンゲームデイや災害時の利用にも配慮され、総合的に優れた提案であった」と評価された。
また2021年4月に、広場エリアの整備などをPark-PFI方式で行う「中央公園広場エリア等整備・管理運営事業」に係る事業者の公募を開始したところ、2グループの参加があった。この中から、同年8月に広場エリアの整備・管理・運営者にNTT都市開発を代表とするJVが選定された。広場エリアに関しては2024年8月の開業を目指しており、現在は建設を進めている真っ最中である。