2023年12月28日に竣工した広島サッカースタジアム(エディオンピースウイング広島)。広島市中央公園内にあり、古くから広島の中心地として栄えてきた紙屋町・八丁堀エリアから徒歩圏内という、全国でも稀ともいえる都心に立地する“街なかスタジアム”だ。広島市が整備した同スタジアムは、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)に加盟するプロサッカークラブ、サンフレッチェ広島の新たな本拠地として使用され、今後、公園などの近隣施設との連携も積極的に行うことで、年中にぎわいのあるサッカースタジアムを目指す。
プロサッカーの優勝チームや試合結果などを予想するスポーツくじ「WINNER」。2024年のJリーグ1部(J1)の優勝予想で一番人気となったのはサンフレッチェ広島。前年優勝のヴィッセル神戸や過去8回優勝という最多記録を持つ鹿島アントラーズなどの強豪を抑え、2015年シーズン以来の4回目の優勝を狙う。
そのサンフレッチェ広島が2024年シーズンを戦ううえで強力な後押しとなっているのが広島市に誕生した新しいサッカースタジアム「広島サッカースタジアム(エディオンピースウイング広島、以下Eピース)」だ。サンフレッチェ広島がホームスタジアムとして使用するEピースは、中四国最大の商業業務地であり、広島市の都心の一翼を担う紙屋町・八丁堀地区に近接し、広島駅から徒歩圏内に建設された、まさに“街なかスタジアム”を名乗るのに相応しいスタジアムだ。また、原爆ドームのある平和記念公園にもほど近く、サッカーでの国際交流の機会などを通じて、平和について世界中への発信も期待されるスタジアムである。
観客席数は2万8520席で、全席屋根付き。Jリーグで最多となる42の席種のチケットが発売され、キッズスペースを備えるなど子どもが飽きない工夫もされている。ピッチと観客席の距離は最短で8mと、選手のプレーを近くで見ることができるとともに、観客席の前後の幅は通常のスタジアムより広く、ゆったりとした観戦環境を提供する。
Eピースは広島市が建設し、全体事業費は約285 億7000万円。サンフレッチェ広島が指定管理者として管理・運営を担う。指定期間は2023年12月28日~2033年3月31日の9年3カ月。指定管理料は総額で4億9900万円、納付額12億5800万円。また広島市は、広島県内に本社・支店を置く企業を対象に「年間1億円以上、5年間以上」の条件でネーミングライツパートナー(命名権者)を募集。エディオンが年1億円×10年の総額10億円で取得した。