手術なしの性別変更を認める 会社員「選択肢あると知ってほしい」

伊藤恵里奈
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 出生時の性と自認する性が異なるトランスジェンダー男性として生活する岩手県一関市の会社員、大滝洸さん(27)が申し立てた戸籍上の性別変更の審判で、盛岡家裁は22日、性別変更を認める決定を出した。

 最高裁が昨年10月、戸籍上の性別変更をするのに生殖能力を失わせる手術を必要とする性同一性障害特例法の規定を「違憲」と判断。それを受けて、大滝さんは昨年11月、申し立てをした。

 大滝さんは埼玉県出身。高校生の頃に性別違和を明確に感じて、在学中に男性ホルモンを投与する治療を始めた。性別変更の申し立てを始めてからは「同じような悩みをもつ人の力になれれば」と、SNSで必要な手続きなどを積極的に発信している。

 22日は大滝さんの誕生日。大滝さんは「これから申し立てする人のことを思ったら、これほどうれしいことはない。いいプレゼントをもらえた。今、性別違和で悩んでいる人たちには、色々な選択肢があると知ってほしい」と語った。

 性的少数者が生きやすい社会を目指して活動する「いわてレインボーマーチ」の共同代表、山本ゆき子さんは「当然の結果で喜ばしい。誰もが自分らしく生きられるような社会によりなってほしい」と祝福した。(伊藤恵里奈)

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