保護者で卒業生
「よそから帰って来たときに、円形校舎を見たら呉に帰ってきたな…とほっとするような感じがあったので、やっぱり残してほしいです」

このあと、円形校舎の見学会が行われ、多くの卒業生が訪れていました。校舎には、学校の歴史を紹介するパネルや在校生が描いた絵などが展示されています。

こちらは建設中の円形校舎を取材した小学生新聞の記事です。校舎は鉄筋4階建てで、1階から3階は中心にあるホールを囲むように扇形の教室が配置され、4階は体育館になっています。

戦後のベビーブームで、当時の児童数は多いときには800人を超えていました。そこでせまい土地を有効活用しようと建設が始まったのが、円形校舎だといわれています。

卒業生や地域の人たちは、寄せ書きに感謝の気持ちを書いて、当時の小学校の様子を懐かしんでいました。

卒業生たち
「呉市で建ったから、なんとなく自慢のところもあった」
「親もですし、兄弟もみな通ったので、この建物がなくなるのがさみしいですね。呉で最後の円形校舎になるので、残してほしかった思いはあります」

児童たち
「安全に見守ってくれた校舎さんに感謝を込めてありがとう」

港の丘にその姿をとどめてきた円形校舎…。4月から解体が始まり、3年後には4階建ての新校舎が完成する予定です。

― ユニークな円形校舎だが、円形だけに日当たりが悪い教室があったり、耐震化をするには技術的に難しく、コストもかかったり…。呉市は残すことも考えたが、安全面やコストを考慮して解体・建て替えを決めたとのことです。