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連載【弁護士監修】知らなきゃ損する!転職と仕事の法律のQ&A
週休2日制と完全週休2日制の違いは何でしょうか?
Q 週休2日制と完全週休2日制の違いとは?
求人の休日・休暇の欄に「週休2日制」と書いているものと「完全週休2日制」と書いているものがあることに気づきました。「週休2日制」と「完全週休2日制」の違いは何ですか?ほかにどんな休日の制度があるのですか?(26歳/女性)
A 「完全」が付かない「週休2日制」の場合は、必ずしも「毎週2日休める」わけではありません。
求人情報に「週休2日制」と書かれていれば、「毎週2日休めるんだな」と思うかもしれません。でも、実はそうとは限りません。
「週休2日制」の定義は、一般的には、1カ月の間に2日休みの週が少なくとも一度あり、それ以外の週は1日以上休みがあることとされています。ですから、例えばある月の1週目だけは2日間休みがあって、残りの3週は休みが1日だけだったとしても、「週休2日制」だということです。
それに対して、「完全週休2日制」と言った場合は、年間を通じて毎週2日間休みがあるということになります。
ただ、気をつけなければならないのは、「週休2日制」「完全週休2日制」いずれの場合も土・日曜が休みとは限らないということ。「完全週休2日制(土日)」などのように休日となる曜日が明記されていない限りは、何曜日が休みなのかは分からないということです。週によって休日の曜日が変わる場合もあります。
求人情報に曜日が明記されていない場合は、面接の際などに確認しておきましょう。
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週休2日制は法律で決まっているわけではない
「週休2日制」や「完全週休2日制」について説明しましたが、これらは法律上の用語ではありません。これまでの労働基準法の改正の経緯や企業の慣行のなかで生まれてきた用語です。
休日に関して法律で決められているのは、「会社は毎週少なくとも1日、社員に休日を与えなければならない」ということだけです。週に1日休日を設ければ、それ以外の休みをどう設定するのかは基本的に会社の自由です。
ただ、同時に法律では、労働時間は原則として1日8時間・1週40時間まで、とも定められています。1日8時間働くとして、5日働けば週の労働時間の上限である40時間に達するので、残りの2日を休みとしている会社が多いのです。
そのほかの休日の制度
週休2日制、完全週休2日制のほかにも、週休1日制、隔週休2日制、シフト勤務制などさまざまな制度があります。
そのほか、例外的に、4週間のうちに4日以上の休日を与える場合は、週休1日を確保しなくてもよいということが法律で認められています。変形休日制と呼ばれており、対象となる業種に制限はありませんが、一般的には建設業など週休1日制をとることが難しい業種が想定されています。
ここで扱った法律
休日に関しては、労働基準法の第35条で規定されています。35条1項で、毎週少なくとも1回休日を与えなければいけないことが、35条2項で、4週間を通じて4日以上休みを与える場合は週休1日を確保しなくてもよい、ということが定められています。
弁護士:藥師寺正典(やくしじ・まさのり)
弁護士法人第一法律事務所 パートナー(社員弁護士)。経営法曹会議会員。企業の顧問業務をはじめ、労働審判・労働訴訟などの係争案件や、ユニオンなどとの団体交渉対応、労災対応、M&Aにおける労務デューデリジェンス対応など、経営者側での労働法務案件を数多く手掛ける。