インタビュー:辻詩音「怖いものを知った上で、それでも進む」
――ファーストアルバムの制作に向けて、どんな内容にしたいか事前にイメージはありましたか?
辻詩音(以降、辻):ずっと前から、アルバムに向けて頑張ってきた所があって。絶対に最初は「Runaway」という曲で始まるとか、真ん中ぐらいはこういう感じの曲を置いて一回落として、ここから盛り上げて行って、やっぱりボーナストラックをつけるとか。ジェットコースターみたいな感じで色んな曲調が入っているものにしたいとか、頭の中のイメージは結構出来ていましたね。――では、曲順は結構すんなりと決まりましたか?
辻:いや、最後の最後は結構悩んで。曲順も曲間にもこだわったりするので、この曲をここに持ってくるか、あっちに持ってくるか?みたいなものは悩んで。でも最終的には「ヨシ!これしかない」というぐらいの曲順になったと思います。――アルバムタイトルは、一番最後に決めたんですか?
辻:そうですね。――なぜ「Catch!」に?
辻:今まで、何歳までにデビューするとか、何歳ではこれをやって、こういうこともやりたいとか、一個一個目標を作って。その度に最終的には自分の手でつかんできたという気持ちがあるので。アルバムの中には、そうやって自分でつかんできたもの達のカケラが、キラキラしたしたものが入っているということで「Catch!」です。「キャッチするぞー!」って、夢に向かう時に使ったり、やる気に満ちたイメージがありますね。あとはキャッチーな曲も多いので、それにも掛けて。――「キャッチーな曲」とは、どんなイメージですか?
辻:子供とかが聴いても覚えて歌ってもらえる曲が、キャッチーかなと思います。ポップというか、覚えやすい曲も作って行きたいと思います。――中には、「キャッチー」という表現を好まないアーティストの方もいますが。
辻:キャッチーだったり、ポップと言われるのが嫌な人もいますよね。私もちろんロックな曲もあるんですけど、キャッチー、ポップなものを作りたいというのはあって。やっぱり自分が小さい頃からそういうものが好きだったし、自分が音楽を始めたぐらいの年代の人にも聴いて歌ってもらいたいので、キャッチーな曲を目指しました。――アルバムの中で、1番古い曲と1番最近の曲はどれですか?
辻:1番古い曲だと多分16、17の頃に作った曲なので、1曲目の「Runaway」だと思う。1番最近だと「ハローグッバイ」だと思いますね。――その間に3、4年が経っていると思いますが、こうして1枚のアルバムに収めた時に、自分自身の成長や変化を感じますか?
辻:ちょっとずつ変わってきているとは思うんですけど、今までは結構「自分とは?」って、自分と向き合いながら曲を書いていたんですけど、途中からリスナーだったり、ファンの人のことを考えられるようになってきたので、「この人のために曲を作るなら」とか、そういう作り方もしだしてきましたね。