跡部の悩み・4
「ああ、そうなんだ(笑)」

「それは俺が勝手に思ってたんですが、あと…鬼先輩もいつか『コートが一緒だし同じ部活の先輩後輩みたいなもんだ』って言ってくれたから、じゃあそのままでもいいかな…と///」

「おお、構わんぞ。なんだ、入江も先輩って呼んで欲しいのか?」
「ううん。コートが一緒になってからでいいよ。…ま、一緒になるとは限らないけどね」

「「………。」」


こういうところが、跡部が「入江先輩」と呼ばない一因といえるのだ。
今の跡部にとって「先輩」という言葉には「頼りがいがあって優しい年上の男性」という意味も含まれているので…。


***


「…座っていいですか?」


いつの間にか、徳川がトレイを持ってテーブルまで来ていた。

「ああ、徳川お疲れ」
「いつもの事だ、許可なんぞ要らん」
「お…お疲れ様です、徳川さん;」


徳川は少し焦った様子の跡部をチラリと見て、それから無言で座った。


『聞いてたかな…;』と内心動揺している跡部は、徳川の方を見れなかった。
食事をしていても、本人の居ないところで噂話をしていた後ろめたさに平常心が保てない。
そこで、どうにか落ち着こうとグラスを取り、水を飲んだ。

そこへ…


「…おい」

「えっ!; 俺ですか!?;」

急に呼ばれて、動揺が思い切り態度に出た。


「…俺が先輩に『おい』と呼ぶと思うのか」
「いえ…すみません;」

ますます縮こまる。
跡部は自分が認めた年上には本気で弱いらしい。



(5に続く)
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