高校生のその事情・15
翌朝。
「おはよう、跡部くん」
「…おはようございます、入江さん」
1人で朝食中の跡部の隣の席に入江が座った。
「夕べはちょっと言い過ぎたね、ゴメンね」
「俺がその手の事に疎いのは本当ですから…」
「よぉ、お前らもメシか」
「うん。鬼くんも? あ、徳川も来たね。一緒にどう?」
「おはようございます」
誘われて鬼と徳川も空いている席に座った。
「昨日は嫌な思いをさせてスマンかったな」
「いえ…」
「…大丈夫か?」
「え?」
「まだ、目が赤い」
「いえ、平気です。ありがとうございます」
心配げな目を向けられて、跡部は薄く微笑んだ。
「ほう…」
「何か?鬼さん」
「入江じゃないが珍しいのう。オマエが人の心配をするのはワシも初めて見たぞ」
徳川はそれに無表情で応えた。
「おや、今日は仲良くしてますか?」
不意に長身の男が声をかけてきた。
「3番コートの大和です。よろしく跡部くん」
「……アンタ、青学にいたか? 確か…俺が一年の時」
「おや、知ってましたか?あの頃は一年生の手塚くんに負けてしまう程度の実力だったんですけどね(笑) まあそれはともかく、また朝から虐めてませんよね、入江さん?」
「随分な言われようだね(苦笑)別に虐めてないよ」
「おかげで昨日、僕が手塚くんに怒られちゃいましたから」
「え…手塚に?」
「はい。君が泣きながら戻ってきたから何か知らないかと訊かれましてね」
(16に続く)
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