高校生のその事情・14
「こんな事で泣くな」
「…徳…川さん?」
徳川は跡部が手にしたままの紙を取り上げ、グシャッと握り潰した。
「お前はここにテニスをしに来たんだろう。これはテニスとは関係ない。だから、お前が気にする事はない」
涙が溜まったままの青い瞳が徳川を見上げた。
「もう、部屋に帰れ」
もう一度軽く髪を撫でて、徳川は跡部の背を押しドアまで連れて行った。
跡部は一度部屋を見渡し、小さくお辞儀をしてからドアの向こうに消えた。
****
無言で元の席に戻る徳川に入江が意味ありげに笑った。
「珍しいね、徳川」
「別に…。ただ、虐めすぎだと思ったので」
「まあ、確かにね(苦笑)」
「お前、絶対アイツに嫌われたぞ。徳川が行かなきゃ俺が止めてたとこだ」
鬼も眉をしかめて入江を責めた。
「元々好かれてないよ(苦笑) ああ皆、盛り下げてゴメンね。まだ時間あるけどどうする? 本当にレストランのメニューアンケートでもやろうか?」
「いいっスね!クイズ100人に聞きました!レストランで好きなメニューは!?」
「イエーイ!やっぱカレーだぜ!」
入江の言葉に盛り上げ担当が乗っかり、その波が全員に渡る。
「使用時間は守ってくださいね」
「騒ぎすぎんじゃねえぞ」
コーチ達も去り、ミーティングルームには高校生だけが残された。
(15に続く)
- 36 -
戻る