高校生のその事情・9
「でもあの子、そんなに奥手だったんだね(笑) まあ、見かけほど遊んでないだろうとは思ってたけど。じゃあ、もしこんな投票してるの知ったら怒るかなぁ? いやむしろ泣いちゃうかもね(笑)」

「随分と楽しそうですね、入江さん」
「うん。徳川ももっと楽しんだらいいのに」


…その時。


コンコン!


「失礼します。こちらに齋藤コーチがいらっしゃると伺って来たんですが、入ってもよろしいですか?」


この声…!;


室内の全員が動揺した。
ノックの主は、明らかに現在の噂の的、跡部である。


「やべー、隠せ!;」
「誰か早くホワイトボード消せ!;」
「コーチ、一番近いんだからお願いします!」
「あぁ!?#」


師弟入り乱れて、必死で良からぬ投票が行われた痕跡を消しにかかった。


「いいですよ、どうぞ」
「失礼します。…あ?」

一礼して部屋に入った跡部は、顔を上げてそこに大人数がいることを知り一瞬戸惑った。


「高校生の皆さんを指導中でしたか?申し訳ありません」
「いえ、彼等の親睦会の見回りに来ただけですから気にしなくていいですよ。どうしました?」

「あの…個人的に相談があったんですが」
「じゃあ、コーチ室に行きましょうか」
「いえ、ちょうどいいのでここでお話しさせてください」
「はい?」


(10に続く)
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