DV支援措置があっても、離婚訴訟まで行けば、DVの有無に関する事実認定に(全く影響がないとは言えませんが)ほぼ影響はありません。
ただ、DV支援措置など、被害者の供述に由来する証拠だけでDVの立証をしようとする弁護士は未だにいます。
裁判所は、判決手続きでは支援措置だけではDVの事実を認定しないわけですが、控訴審で、「自分はDV事件に詳しいんだ、DVの専門家である自分がDVはあったと言っているんだから、原審判決がおかしいんだ」という趣旨の主張をされたこともありました。
結果的にDVは第1審でも控訴審でも裁判所に否定され、DVによる慰謝料請求ももちろん棄却されました。
この事案の自称DV専門家弁護士は、依頼者のDV被害申告の裏付けをろくに取っていなかったように見えました。
このような弁護活動をしても、今までは、DV被害を受けたと言っている依頼者に大きな損害を与えることはなかったため、問題が顕在化してこなかったのです。
今までは、DVの立証ができなくても、離婚はできるし、子どもの親権も取れたからです。
今後は、同居中にDVがあったことの客観的証拠がなければ、改正法施行後に離婚判決が為されるとき共同親権になる可能性が非常に高くなります。
そればかりか、DVの証拠もないのに、別居中の面会交流を制限したりすると、親権者指定に際してかなり不利に考慮され、単独親権にされてしまうおそれもあります。別居親が親権者になる形で。
DV等の証拠は、依頼者自身が「証拠にならないと思った」「もう見たくない」等の理由で廃棄してしまうことがあります。
受任段階でDV被害の証拠を十分精査して依頼者から引き渡しを受けておかなければ、後になって「先生から指示がなかったから捨ててしまった」と言われて、依頼者から弁護士への責任追及の種にされかねません。
こうなった場合、弁護士側が、弁護過誤ではなかったと弁明するのは厳しい、と、弁護士側は考えておく必要があります。リスク管理の観点から。
そういうわけで、DVの立証の見通しの有無は、弁護方針を決める上で、これまでとは比べものにならないくらい重要になりますし、客観的な証拠の引き渡しを受けずに本人の被害申告やその派生証拠しかない状態で受任するのはかなりリスキーになってくると考えます。
またDVを立証できる見込みがないのであれば、子連れ別居や別居後の面会交流制限をすると、後々の親権者指定において不利に働くおそれがあることを助言する必要があるでしょうね。
(長文失礼しました。私の元ポストに言葉足らずなところもありましたので、補足も兼ねて書きました。)
Quote
弁護士 柴田収@「毒親絶縁の手引き」絶賛発売中
@themis_okayama
Replying to @themis_okayama
>「支援措置取れば証拠がなくてもdv主張できます!」
あと、これは離婚事件を多く扱っている弁護士にはない言動ですね(離婚事件をあまり扱っていない弁護士だとあり得る)。
Show more