「目立たないように作業をお願いします」
そんな厳しい台所事情の中、東京15区の選挙戦に狩り出されたのが、維新の国会議員団の秘書団だった。
秘書の一人が明かす。
「秘書団は連日動員されていました。選挙運動では基本的に、証紙を貼った法定ビラしか配布できないのですが、選挙期間中に維新秘書らが東京15区内の駅前で、候補者の写真の入った維新の機関誌を配布しており、SNS上で問題視された。すると、秘書会から4月18日に一斉メールで〈選挙運動と同時に、政党・政治団体の活動を行っています〉〈秘書会ジャンパーには『維新ロゴ』が入っており、選挙活動に類推されないようにするために、維新と記載のない薄グリーンの上着等を着用してください〉という指示がきました。事実上の選挙運動ですが、あくまで政党活動だと強弁したのです」
危なっかしい活動はこれだけではなかった。議員会館内で、選挙準備に携わった秘書もいたという。
「公示直後の4月16日には、秘書会の会長のA氏から、議員会館内で証紙貼りに協力するように指令が出た。そもそも、議員会館は、議員活動のために税金で運営されている施設です。そして、会議室等の使用は原則として、会派に直接関係のある会合に限定されている。現職の議員でもない候補者の選挙準備を、会館内でやっていいのか非常に疑問でした」(別の秘書)
こうした懸念を裏付ける内部資料があった。維新秘書団の一部に配られたた〈証紙貼りの作業にご協力いただける秘書の皆様へ〉と題された文書だ。〈日頃より秘書会活動へのご理解、ご協力をいただき、ありがとうございます〉とはじまり、〈会館は選挙活動、選挙運動が禁止をされていますので、目立たないように作業をお願いします〉などと、注意書きがされている。