現在位置:
  1. asahi.com
  2. 2010鳩山政権
  3. ニュース
  4. 記事

2010鳩山政権

連合傘下の労組・団体、民主35議員に11億円提供

2010年3月8日3時0分

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

グラフ拡大  

 連合傘下の労働組合や関連政治団体などが2006~08年の3年間で、自ら擁立・支援する民主党の国会議員35人に対して、政治献金や政治資金パーティー券を購入するなどして、計10億6千万円を資金提供していたことが、朝日新聞の調べで分かった。民主党本部や同党の政治資金団体「国民改革協議会」への政治献金やパーティー券購入代の計8400万円と合わせて、労組側からの資金提供は3年間で計11億円超に上った。

 675万人の組合員を抱える連合は民主党の最大支援組織。傘下の産業別労組は、自らの労組幹部出身者といった「組織内議員」に加え、運動方針に賛同する議員も「準組織内議員」として選挙などで支援してきた。今回、政党側に多額のカネを支援してきた実態も改めてはっきりした。

 ただ、民主党の06~08年の年間収入は125億~142億円で、政党交付金が8割強と国費への依存が強い。同じ時期、自民党の年間収入に占める政党交付金の割合は5~6割強。政治資金団体の国民政治協会と合わせ、自民党政権とつながりが深かった日本経団連傘下の企業・団体からは計81億円の献金があった。

 朝日新聞は組織内・準組織内の国会議員計69人が代表者を務める党支部や、関連政治団体の06~08年の政治資金収支報告書を調べた。

 69人の国会議員のうち、連合傘下の労組側から資金提供を受けていたのは衆院議員20人、参院議員15人の計35人。献金額は、06年が3億900万円▽07年が2億7700万円▽08年が4億4100万円――の計10億2700万円だった。パーティー券購入は、06年が942万円▽07年が1336万円▽08年が762万円――の計3040万円。

 資金提供額が最も多かったのは、古本伸一郎・財務政務官(衆院愛知11区)で、06~08年の総額は2億750万円。元トヨタ自動車労組幹部で、財務政務官に就任するまで、全トヨタ労働組合連合会の顧問を務めていた。提供資金のいずれもが全トヨタ労連の関連政治団体からだった。

 古本氏の事務所は「法の定める範囲で献金を受けている。労組の言いなりではなく、公平公正に政策判断をしている」と話している。

 民主党本部や国民改革協議会には06~08年、政治献金が440万円、パーティー券購入は8千万円。党本部の政治資金パーティーでは自動車総連や電機連合、日教組系の政治団体など7~9団体が、政治資金規正法の上限の150万円分を購入していた。

 東京経済大学の加藤一彦教授(憲法学)は「企業も労組も献金の目的は自らの政策実現。労組の中には、組合員から一筆取るなどして献金しているから『個人献金』との主張もあるが、組織を使って金を集めている以上、『団体献金』といえる。違法ではないが、カネの流れを見えにくくしている」と指摘する。(勝亦邦夫、四登敬)

     ◇

 〈労働組合と政治献金〉リクルート事件などを受けた94年の政治資金規正法改正で、政治家個人への企業・団体献金は資金管理団体だけに限られ、99年改正で禁止された。労組を含む企業・団体献金は、政党や政党の政治資金団体に対して年間総枠750万~1億円の範囲で認められ、政治家が代表を務める政党支部を受け皿に実質的に企業や団体のカネが政治家側に渡っている。政治団体が献金する場合にはこうした規制はなく、同一の団体への年間5千万円の量的制限だけが適用される。民主党は昨年の衆院選マニフェストに企業・団体献金の禁止を盛り込んだ。

検索フォーム
キーワード: