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SNSも悪用…未成年が性被害にあう「出会い系」の実態

コミュニティサイトにおける未成年の性被害が過去最多となっています。なぜ増えているのか、どのようにしたらリスクが減らせるのかについて解説します。

性被害児童数は過去最多

性被害児童数は過去最多。ネットで知り合った人と会うリスクを教えよう

性被害児童数は過去最多。ネットで知り合った人と会うリスクを教えよう

警察庁の「平成28年上半期におけるコミュニティサイト等に起因する事犯の現状と対策について」(平成28年10月)によると、コミュニティサイトに起因する事犯(法令に違反し処罰されるべき行為)の被害児童は889人でした。平成20年以降増加傾向にあり、被害児童数は半期ごとの統計が残る2008年以降過去最多となってしまいました。

コミュニティサイトとは、コミュニケーションがとれるサービス全般のことであり、SNSやゲームサイト、出会い系アプリなども含まれます。

サイト別被害はTwitterが最多の180人(39人増)で全体の約2割を占めています。Twitterの対応は外部から通報のあった児童ポルノの削除などにとどまっており、被害は増加傾向にあります。TwitterはLINEと並んで10代に人気の高いSNSであり、保護者は子どもの利用状況に注意を払う必要があるでしょう。
2番めに被害が多いのはチャット系のアプリ「ぎゃるる」

2番めに被害が多いのはチャット系のアプリ「ぎゃるる」

なお、2番めに多いチャット系の「ぎゃるる」は78人(29人減)、続く「LINE」が63人(3人減)、チャット系の「友達作りTalk」は48人(16人減)など、年齢確認による18歳以上との交流制限、投稿内容の監視などの対策を施したサイトは減少傾向にあります。

しかし、出会いを目的としたアプリが多数あること、一般的なコミュニケーションアプリでも使い方によっては危険であることは知っておくべきでしょう。

規制されない出会い系アプリやSNS

では、なぜそのようなサイトで性被害が起きているのでしょうか。そもそも、平成20年に施行された「出会い系サイト規制法(インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律)」により規制が厳しくなった出会い系サイトではなく、確実に18歳未満が使っていることが分かっているコミュニティサイトに悪い大人が移ってきているという問題があります。

SNSやゲームサイト、出会い系アプリなどは、この法律の定義する"出会い系サイト"に合致しないため、同法の規制対象とはなりません。そのようなものまで規制していくと、結局ネット全体を警察が監視することになってしまうため、今後も規制対象とはならない可能性が高いでしょう。

ネットでは素性・本心が偽れる点に注意

警察庁の「コミュニティサイトに起因する児童被害の事犯に係る調査結果について」(平成26年上半期)によると、約4割の被疑者が、性別や年齢、職業などを詐称していることがわかっています。このように素性や本心を偽り、若者たちと会う悪い大人はたくさんいます。ネットでは素性や本心が偽れるため鵜呑みしてはいけないことは、子供に教えておくべきでしょう。

最近は、ネットで知り合いを増やしたり、ネットで知り合った人と直接会うことに抵抗がない子供が増えています。しかし、ネットでのやりとりを信じて無防備に会いに行くと性被害などのリスクがあります。

小学生など子供が小さいうちは、フィルタリングサービスを併用した上で、「ネットで知り合った人とは会わない」という約束をさせましょう。中高生などある程度大きくなると単なる禁止や制限は通用しなくなるため、「あなたが心配だからネットで知り合った人とはなるべく会ってほしくない」ことを伝えた上で、それでもどうしても会うなら、日中に人がたくさんいる場所で会うこと、友達と複数で会いに行くこと、保護者に行き先や合う相手を伝えてから行くことなどを約束させるといいでしょう。

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