27 白銀の騎士は青い雫を打ち砕く。
2012.06.15 (Fri)
と、言うわけで気づけばクラス代表騒動から一週間。
早くも一年一組のクラス代表決定戦が行われる日となった。
「で、きたの?」
「未だらしい……」
そうして全く持って意味不明な事態へと陥る。
なんだよ専用機が来ないって。いや、確かにこの事態は予定外の事態なのかもしれないけど、なんでそう専用機の到着が試合開始直前になっても来てないとか。
馬鹿なの? パイロット殺すの? と。
まぁ、私としては如何でもいい話。
「んじゃ、打鉄で出る?」
「いや、それは流石に無理だろう」
篠ノ之箒の言葉にイチカも首を縦に振る。
まぁ、ねぇ。只でさえ錬度に差があるこの状況、専用機も無しに国家代表候補は勝てる相手じゃない。
「……ふぁ」
然し眠い。
何せここ数日、対BT用の戦略を練るのに、睡眠時間の何割かを使ってたから。
肉体的には5日ぐらい徹夜しても平気なんだけれども、残念ながら精神的にはそうもいかない。一日二日ちょっと生活リズムが変わるだけならいいのだけれど、生活リズムが狂うというのは辛い。
「この緊急事態に暢気な……」
「いや、アタシらまで焦ったって仕方ないでしょ」
言いつつ、νGのハイパーセンサーを起動し、四方八方に向けてセンサーを働かせてみる。
学園の敷地外で、かつ学園敷地に向けて接近するISコアの反応……。
――センサーの範囲外に、それらしき反応が一つ。コレは……海輸? 自前の疑似ハイパーセンサーも使って更に走査。半分海中に沈んでる偽装船で学園に運び込んでる……のかな?
擬装の表看板が某大規模菓子パンチェーンになっているのが笑える。
「ん……そろそろ来そうな感じだね」
「それは何時もの?」
「そ、直感」
言いつつ私も踵を返す。
「ぬ、何処へ行くスカリエッティ」
「私は観客席から見てるよ」
何が悲しくて、態々ピットみたいな7割がた閉じた空間からグラウンドを見上げねばならないのか。私は折角だから観客席のいい席に陣取るぜ!
「そうそうイチカ」
「ん?」
「戦いなんて……特にISの戦闘なんて、結局の所は間合いの差し合いでしかないんだ。自分の間合いを理解して、相手の間合いを読み取って、以下に自分の間合いに敵を引きずり込むか。いかに敵の間合いから身をかわすか。それを確り考えれば、なに、今のイチカならイギリス代表候補くらいなら勝てるよ」
言いつつ、後ろ手に手を振ってその場から立ち去った。
さぁ、そういうわけで移動しました。
場所は観客席……ではなく、観覧席の近く、練習場のシステム面の整備用通路の一角。関係者以外立ち入り禁止の場所にこっそりと忍び込み、観客席よりも高くて遠い場所にひっそりと陣取ったのだった。
「さて、どうなるかな」
マジックポットからミルクと砂糖を溶かし込んだ甘甘コーヒーを小さくすすりながら視線をアリーナへと向ける。
東西のピットから飛び出す青と白の影。
青の機影は滑らかに、白の機影は何処かぎこちなくも、それでも確りと空を踏みしめるようにしてその中央へと陣取っていた。
んー、機体の挙動は大分マシみたいだけど、急制動とかはやっぱりまだまだだねぇ。
私の鍛えた現状のイチカは、原作よりも数段実力は上だ。
だけど、だからといって無敵かと言われればそうでもない。
先ず、入りの前に力が入りすぎていて、ある程度の武術家相手になら動きを読まれてしまう。
また一撃一撃が必殺なのはいいのだけれど、一撃の次に繋ぐのが若干遅い。ISでの戦闘は基本交差戦だからまぁ問題ないとは思うんだけれども、コレが例えば中国の開発している甲龍(シェンロン)みたいな格闘戦対応型とかを相手にする場合、少し相性が悪くなってしまう。
まぁ、BTなんて所詮は実験兵器。
そもそもオールレンジ兵器は制限された射角を補う為、また遠距離から奇襲をかけるという思想の元に存在しているのだ。
だというのに、オールレンジ兵器を搭載しながら、その上でビームが更に曲がる???
正直、意味が不明すぎる。この機体は一体如何いう状況を想定して設計されているのだろうか。
ビーム歪曲とオールレンジ攻撃は、如何考えても使用用途が被っている。正直容量の無駄食いにしか感じない。
しかもそれを使いこなせていないというのだから尚お笑いだ。
まぁ、例えレーザーだかビームだかが歪曲しようが、νGが負ける要素は欠片とてありえないのだけれど。
とか考えていたら、いつの間にかイチカの白式が一次移行を迎えていた。
なるほど、さっきまで銀色っぽかったけど、今では真っ白な機体に成り代わっていた。
その姿はまるで中世の鎧を思わせるデザイン……とやらに成っていた。
いや、けど……なんだろうか。
私の知っている原作の白式とは少しデザインが違う?
なんだろうか。こう、機体が全体的に丸みを帯びているというか、丸みの中にも鋭角があるというか。
「ぬるい! 俺を落したきゃ、その三倍のBTを持って来い!」
何処と無くACっぽいなぁ、なんて考えていたら、イチカのやつ何かを叫んだかと思うと、いきなりBTへと斬りかかった。
「あ、調子のってるな」
まぁ、訓練では12機のフィンファンネルを相手していたわけだし。BTの3倍というのは間違っては居ないのだろうけど。
機動性が上がったのはいいものの、どうもイチカのやつ、それにいい気になってかかなり動きが荒くなってる。
仮にも相手は国家代表候補生。一時期有利だからといって、油断するのは愚かな事。そう教え込んでいたのだけれども。
矢張りイチカには剣術の修行が必須か。身体能力云々以前に、精神力のほうを磨いてもらわなけりゃいけないか。
「ま、必要なデータは全て揃ったし、此処まででいいか」
零落白夜のデータも、一定の計測値を手に入れることが出来た。
エネルギー消滅能力。なるほど、シールドエネルギーと同質の波形によるエネルギーブレード。
シールドに当たればエネルギー波形の関係から一撃必殺。物理攻撃としても超一級品のエネルギー兵器なのだろう。
ただ、シールドを一撃で崩すほどの出力の代物だ。既存の第三世代型兵装としては破格の代物。途轍もなく高コストかつ悪燃費な代物と言うのも理解できた。
――とりあえず、イチカには心眼の修行が必須だな。
未来のイチカの修行プログラムを考えつつ、この場から離脱する為に一気に駆け出した。
私のハイパーセンサーに反応する人影。そろそろ頃合だとは思っていたのだけれども、どうやら学園関係者に見つかってしまったらしい。なにやら気配が一つ、こちらに向かって接近してきている。
NTセンサー、ハイパーセンサー共に感じるこのプレッシャー。
綺麗なまでの気配の隠匿。それゆえに、放つプレッシャーとの誤差で良くわかる。
私がNTじゃなければ絶対に気づけない。そんな恐ろしいまでの気配の希薄さとプレッシャーの濃さという矛盾。
視線を向けると、少し離れた通路に一人、青い髪の毛の美少女が一人。
少し年上に見えるその少女は、何処か不敵な笑みで此方をニヤリ。いや、この距離で生身の人間が見えてるの!?
ばさりと広げた扇子には『不敵』の二文字。
やべえええええええ、生徒会長キタアアアアア!!!!!
敗北は無いけど、無駄に疲れる相手。
その姿を一目見た瞬間、大慌てでその場を離脱したのだった。
BTの兵装は光学兵器。νGは荷電粒子投射兵器。
本文内でのビームと言う言葉は広義での光線っていう解釈で勘弁してください。
早くも一年一組のクラス代表決定戦が行われる日となった。
「で、きたの?」
「未だらしい……」
そうして全く持って意味不明な事態へと陥る。
なんだよ専用機が来ないって。いや、確かにこの事態は予定外の事態なのかもしれないけど、なんでそう専用機の到着が試合開始直前になっても来てないとか。
馬鹿なの? パイロット殺すの? と。
まぁ、私としては如何でもいい話。
「んじゃ、打鉄で出る?」
「いや、それは流石に無理だろう」
篠ノ之箒の言葉にイチカも首を縦に振る。
まぁ、ねぇ。只でさえ錬度に差があるこの状況、専用機も無しに国家代表候補は勝てる相手じゃない。
「……ふぁ」
然し眠い。
何せここ数日、対BT用の戦略を練るのに、睡眠時間の何割かを使ってたから。
肉体的には5日ぐらい徹夜しても平気なんだけれども、残念ながら精神的にはそうもいかない。一日二日ちょっと生活リズムが変わるだけならいいのだけれど、生活リズムが狂うというのは辛い。
「この緊急事態に暢気な……」
「いや、アタシらまで焦ったって仕方ないでしょ」
言いつつ、νGのハイパーセンサーを起動し、四方八方に向けてセンサーを働かせてみる。
学園の敷地外で、かつ学園敷地に向けて接近するISコアの反応……。
――センサーの範囲外に、それらしき反応が一つ。コレは……海輸? 自前の疑似ハイパーセンサーも使って更に走査。半分海中に沈んでる偽装船で学園に運び込んでる……のかな?
擬装の表看板が某大規模菓子パンチェーンになっているのが笑える。
「ん……そろそろ来そうな感じだね」
「それは何時もの?」
「そ、直感」
言いつつ私も踵を返す。
「ぬ、何処へ行くスカリエッティ」
「私は観客席から見てるよ」
何が悲しくて、態々ピットみたいな7割がた閉じた空間からグラウンドを見上げねばならないのか。私は折角だから観客席のいい席に陣取るぜ!
「そうそうイチカ」
「ん?」
「戦いなんて……特にISの戦闘なんて、結局の所は間合いの差し合いでしかないんだ。自分の間合いを理解して、相手の間合いを読み取って、以下に自分の間合いに敵を引きずり込むか。いかに敵の間合いから身をかわすか。それを確り考えれば、なに、今のイチカならイギリス代表候補くらいなら勝てるよ」
言いつつ、後ろ手に手を振ってその場から立ち去った。
さぁ、そういうわけで移動しました。
場所は観客席……ではなく、観覧席の近く、練習場のシステム面の整備用通路の一角。関係者以外立ち入り禁止の場所にこっそりと忍び込み、観客席よりも高くて遠い場所にひっそりと陣取ったのだった。
「さて、どうなるかな」
マジックポットからミルクと砂糖を溶かし込んだ甘甘コーヒーを小さくすすりながら視線をアリーナへと向ける。
東西のピットから飛び出す青と白の影。
青の機影は滑らかに、白の機影は何処かぎこちなくも、それでも確りと空を踏みしめるようにしてその中央へと陣取っていた。
んー、機体の挙動は大分マシみたいだけど、急制動とかはやっぱりまだまだだねぇ。
私の鍛えた現状のイチカは、原作よりも数段実力は上だ。
だけど、だからといって無敵かと言われればそうでもない。
先ず、入りの前に力が入りすぎていて、ある程度の武術家相手になら動きを読まれてしまう。
また一撃一撃が必殺なのはいいのだけれど、一撃の次に繋ぐのが若干遅い。ISでの戦闘は基本交差戦だからまぁ問題ないとは思うんだけれども、コレが例えば中国の開発している甲龍(シェンロン)みたいな格闘戦対応型とかを相手にする場合、少し相性が悪くなってしまう。
まぁ、BTなんて所詮は実験兵器。
そもそもオールレンジ兵器は制限された射角を補う為、また遠距離から奇襲をかけるという思想の元に存在しているのだ。
だというのに、オールレンジ兵器を搭載しながら、その上でビームが更に曲がる???
正直、意味が不明すぎる。この機体は一体如何いう状況を想定して設計されているのだろうか。
ビーム歪曲とオールレンジ攻撃は、如何考えても使用用途が被っている。正直容量の無駄食いにしか感じない。
しかもそれを使いこなせていないというのだから尚お笑いだ。
まぁ、例えレーザーだかビームだかが歪曲しようが、νGが負ける要素は欠片とてありえないのだけれど。
とか考えていたら、いつの間にかイチカの白式が一次移行を迎えていた。
なるほど、さっきまで銀色っぽかったけど、今では真っ白な機体に成り代わっていた。
その姿はまるで中世の鎧を思わせるデザイン……とやらに成っていた。
いや、けど……なんだろうか。
私の知っている原作の白式とは少しデザインが違う?
なんだろうか。こう、機体が全体的に丸みを帯びているというか、丸みの中にも鋭角があるというか。
「ぬるい! 俺を落したきゃ、その三倍のBTを持って来い!」
何処と無くACっぽいなぁ、なんて考えていたら、イチカのやつ何かを叫んだかと思うと、いきなりBTへと斬りかかった。
「あ、調子のってるな」
まぁ、訓練では12機のフィンファンネルを相手していたわけだし。BTの3倍というのは間違っては居ないのだろうけど。
機動性が上がったのはいいものの、どうもイチカのやつ、それにいい気になってかかなり動きが荒くなってる。
仮にも相手は国家代表候補生。一時期有利だからといって、油断するのは愚かな事。そう教え込んでいたのだけれども。
矢張りイチカには剣術の修行が必須か。身体能力云々以前に、精神力のほうを磨いてもらわなけりゃいけないか。
「ま、必要なデータは全て揃ったし、此処まででいいか」
零落白夜のデータも、一定の計測値を手に入れることが出来た。
エネルギー消滅能力。なるほど、シールドエネルギーと同質の波形によるエネルギーブレード。
シールドに当たればエネルギー波形の関係から一撃必殺。物理攻撃としても超一級品のエネルギー兵器なのだろう。
ただ、シールドを一撃で崩すほどの出力の代物だ。既存の第三世代型兵装としては破格の代物。途轍もなく高コストかつ悪燃費な代物と言うのも理解できた。
――とりあえず、イチカには心眼の修行が必須だな。
未来のイチカの修行プログラムを考えつつ、この場から離脱する為に一気に駆け出した。
私のハイパーセンサーに反応する人影。そろそろ頃合だとは思っていたのだけれども、どうやら学園関係者に見つかってしまったらしい。なにやら気配が一つ、こちらに向かって接近してきている。
NTセンサー、ハイパーセンサー共に感じるこのプレッシャー。
綺麗なまでの気配の隠匿。それゆえに、放つプレッシャーとの誤差で良くわかる。
私がNTじゃなければ絶対に気づけない。そんな恐ろしいまでの気配の希薄さとプレッシャーの濃さという矛盾。
視線を向けると、少し離れた通路に一人、青い髪の毛の美少女が一人。
少し年上に見えるその少女は、何処か不敵な笑みで此方をニヤリ。いや、この距離で生身の人間が見えてるの!?
ばさりと広げた扇子には『不敵』の二文字。
やべえええええええ、生徒会長キタアアアアア!!!!!
敗北は無いけど、無駄に疲れる相手。
その姿を一目見た瞬間、大慌てでその場を離脱したのだった。
BTの兵装は光学兵器。νGは荷電粒子投射兵器。
本文内でのビームと言う言葉は広義での光線っていう解釈で勘弁してください。
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