高校生のその事情・8
「へぇ…そうなんだ。可愛いねぇ」

入江がクスクスと笑う。
楽しくて堪らないらしく、笑いが止まらない。

「…おい、齋藤。跡部があのツラで女と付き合った事がねえってのはどうなんだ?」
「うーん、でも彼は外見や言動こそ派手ですが、中学生達の中でもかなり真面目な方ですからねぇ。僕が見たところ、一見しても真面目そうな手塚くんよりも禁欲的っぽいですよ」


「…マジかよ。それであのエロスは反則じゃね?」
「立ってるだけで他のガキどもより色気あんのになぁ」

「下ネタとか嫌いそうだね。うっかり言ったら嫌われるよ、きっと」

「でも、ワザと言ってからかうのも面白そうじゃね?」
「お兄さんが教えてあげるよ、ってか? ギャハハハ!」

「あー、君達。純真な中学生に変なこと教えないでくださいね;」
「だからお前ら『健全なテニス少年』はどこに行った;まあ…ある意味まっとうな高校生男子とも言えるがな;」

「徳川は跡部くん、どう?」
「さっきも言ったでしょう。興味ありませんよ」
「えー、可愛いのに(笑)」

「おや、入江くんは跡部くんがお気に入りですか?」
「ええまあ。こういう投票の対象じゃないですが、からかうと楽しいタイプですよね」

眼鏡の奥の目を細めてにっこりと微笑む。
笑顔に隠されたブラックな部分を知る102人とコーチ2人は跡部に同情した。


(9に続く)
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