高校生のその事情・2
ガチャ!
ノックもなく、不意にドアが開いた。
現れたのは、齋藤、柘植の両コーチだ。
大人数での集会を許可はしたものの、まさか酒でも持ち込んでやしないかと、念のため様子を見に来たのであった。
「げっ、コーチ!;」
全員がシーンと静まり返った。
「おや、意外と静かですねえ。親睦会というから、もっと大騒ぎしているかと思いましたが」
さすが高校生代表ってところですかねぇ、と齋藤が言ったところで、ふと柘植がホワイトボードに気づいた。
「なんだ、これァ?」
言われて斎藤もボードを見る。
そこに並ぶのは、いくつかの名前と「正」の字。
それが何を意味するかは両コーチにも分かった。
内容は不明だが、何らかの投票結果である事は明白だ。
「おやおや、全部中学生の名前ですか?」
「何かアンケートでもやったのか、お前ら。まさかとは思うが、シメる相手でも選んでんじゃねえだろうな?」
素でも強面の柘植の眼光が増し、気弱な連中は震え上がった。
「ち、違いますよ、コーチ!」
「そんな乱暴な真似しませんって!」
「じゃあ、何ですか? おや…?」
「ああっ!;」
「ヤベエっ!;」
斎藤がホワイトボード前の机に散乱した紙を拾い上げ、そこに書かれた文字を見て一瞬絶句する。
「………。」
「なんだ? ……!?;」
横から覗き込んだ柘植も、同様に無言になった。
(3に続く)
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