身長差・4
「ちょっと待ってください!」
「なんですか、跡部くん」
「だったらなんで観月や千石がいないんですか。俺より小さいのに!」
「取材が入るのは5番コート以上ですから」
「……!」
「だそうだよ。昇格おめでとう、君達」
入江のクスクス笑いは跡部と切原の怒りに火を注いだ。
「でもよ、けっこう面白くね?」
「まあな。取材中の分はサーキットメニュー減らしてくれるっていうしな」
「マジ? これって、どれ着てもいいんスか、コーチ」
高校生は意外と前向きに衣装を物色していく。
「ええ。…あ、中学生は何人いますか?」
「えっと、ここには俺ら3人だけだC~」
「じゃあ、3人はこれを着て下さい」
コーチは別の箱から何やら華やかな布を取り出した。
「「「…………。」」」
3人共が思わず無言になる。
「…何ですか、それは」
跡部がやっとの思いで声を絞り出した。
「ドレスです。白雪姫とシンデレラとアリス。どなたがどれを着ますか?」
「三択!?;」
「ていうか、なんで俺ら!?」
面白そう~と1人でワクワクしているジローはともかく、跡部と切原は猛抗議に出た。
「顔つきや体つきがゴツくなってる高校生にそれが着こなせるわけないでしょう? でも正直、君達で助かりました。石田くんや橘くんあたりではちょっとね…」
慰めにも褒め言葉にも取れない死刑宣告にも似たコメントだった。
(5に続く)
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