合宿風呂・3
「セクハラぁ? 鬼?何言ったんだ、お前」
「コイツは大袈裟すぎる。髪と同じで下も金髪だと言っただけだろうが」
「あああっ!そんな事をコーチにまで!///;」
柘植コーチはチラッと視線を落としたが、半泣きで必死に隠す跡部に少しだけ同情した。
「ガキ泣かしてんじゃねえぞ、鬼。うるせえからほっといてやれ」
「…まったく。ところで、ワキも金髪か?」
ひょいと跡部の腕を上げる鬼。
「~~~!!!」
もはや悲鳴が声にならない。
「…なんだ、生えてねえじゃねえか。こんな…腕も脚もツルッツルで。お前、女が見たら羨ましがるぞ?」
「……っ!///」
跡部は本気で泣き始め、他の高校生やコーチはさすがに気の毒になってしまった。
「アニキ…そりゃちょっと;」
「マジでセクハラっすよ;」
「跡部…気にすんなよ;俺ら、バカにしたりしねえからよ」
「アニキは何でも直球勝負なんだよ;な?;」
「鬼先輩が…こんな酷い事するなんて…!;」
さっきまで、頼れる先輩に対する憧れのような淡い感情を抱いていた跡部は、あまりの仕打ちにかなり打ちのめされた。
「メソメソしてねえで、とっとと風呂済ませて寝ろ! 他の連中もだ!あんまり騒いでっと練習メニュー増やすぞ!」
「げえっ!;」という呻き声を上げて、高校生達が散っていく。
(4に続く)
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