困惑・9
「はっははは。そうかもしれんな。まあ正直は悪い事じゃねえぜ。ワシは陰口や小細工は好かん」

「そうっすよね!男はやっぱ直球勝負!」
「やっぱアニキは男前だぜ!ブラザー!」


鬼の発言に盛り上がる高校生2人組。
対して、鬼に言われた跡部はといえば、鬼に髪をガシガシと…撫でるというよりかき回されて、困惑していた。

自分にこんな事をしてきた人間など身内にもいない。
驚くやら恥ずかしいやらで、真っ赤になってしまった。


「鬼先輩…痛いですよ!///」
「おお、すまん。うっかりグシャグシャにしちまったな」

太い指で跡部の髪を梳こうとする。その行為に跡部は更に赤くなる。

「お前、ホントにアニキに気があんじゃねえのかよ?;」
「違う!こんな…されたことない事ばっかりするから…!」

そう。慣れていないのだ。
スキンシップにも。甘やかされる事にも。


「なんだ、嫌だったのか?そりゃ悪かったな」
「違います! 別に嫌な訳ではなくて…その、どうしていいのか…///;」


分からない。
初めての経験に対処に困って俯く、そんな自分さえもが初めてなのだ。


「すみません。こんな、みっともない態度で…///」
「謝るこたねえけどよ。まあ…ちょっと落ち着けや」


いっそ涙目になりそうな跡部に鬼の方が少し慌てはじめる。


(10に続く)
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