困惑・8
「入江さんがいなくなった途端にアニキにベタベタしやがってよ!」
「あーん?してねぇよ」
「ていうかテメー、何でアニキや入江さんには敬語で俺らにはタメ口なんだよ!; 俺らだって先輩だぜ!?」
「敬語は敬う相手に使うモンだろ。アンタらのどこを敬えって? テニスも態度も敬うとこねーだろ」
「ちきしょー、バカにしやがって!; アニキも何か言ってくださいよォ!」
2人は鬼に援護を求めた。
「絡んできたのはお前らだからなぁ…。だが跡部も一応、敬語くらい使っとけや。こいつらだってお前よりは少しだけ長く生きてんだからよ。あんま年上ナメすぎんなよ?」
「…すみません」
「おっ、素直;」
「ま…まあよ、分かりゃいいんだよ。そうやって可愛くしてりゃ、俺らだって優しい先輩でいてやるんだよ」
しおらしい跡部は、常は強気に吊り上がっている眉が下がってなんだか可愛いらしい。
元々顔立ちが整っているだけに、なおさらだ。
「鬼先輩…気を悪くされましたか」
「いや。なんだ、こいつらじゃねえが、さっきから随分と素直だな(笑)」
「俺はいつも素直ですよ。ただ、正直すぎてお世辞を使わずに言いたい事を言うから生意気に思われるだけです」
からかわれてプイッと横を向く。そんなところは年相応だ。
(9に続く)
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